惚れた弱み 実弥side / * ページ19
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実弥side
俺の屋敷に入り廊下を進んでいたとき、ふとAが言った。
『…実弥、なんにも聞かないの?』
「……お前が、聞いてほしいときに聞く」
『…!
…ふっ、…ほんと、優しいね…実弥は』
そうやって綺麗に微笑むから俺は段々離れがたくなって、Aの腰に回す腕に少しだけ力を込めた。
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…でも、これ以上警戒されたくない俺は宣言通り、
Aを客間に案内した後、腰に回していた腕をすぐに離した。
Aは変に入っていた力を抜いて息をつく。
…だから、わかりやすいんだよ、お前は。
結構、俺に残酷なことしてんぞ。
…それでもAに対して愛おしさしかないのは、惚れた弱みっつーやつだな…
「…座っとけェ、茶菓子持ってくる」
『…あ、ありがと』
−−−−−
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Aside
実弥が部屋を出た後、しばらく待っていたら実弥の弟さんが入ってきた。
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「お久しぶりです…
その節はありがとうございました」
入ってきた途端、私がお邪魔してますとか挨拶する前に、そうやって丁寧に頭を下げるもんだから、私は些か面食らった。
『あ、いえいえ…』
私も釣られて深く頭を下げる。
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「…何やってんだァ?お前ら」
片手に茶菓子がのった盆をもち、障子を開けた実弥が佇んでいた。
私たちが深く頭を下げあっている姿は、実弥にとってかなり珍妙な光景だっただろう。
「あ、兄ちゃん…
…あのときのお礼を改めて」
「あぁ、なるほどなァ…」
実は、実弥と和解した後、二人からはあのときの謝罪とお礼の品を貰っていた。
最初は、貴方達の母を結果として殺してしまったのは私だから受け取れないと言ったのだけれど。
でも、気持ちはすごくありがたくて嬉しかった。
ちなみに、その品というのは、実弥が贔屓にしている甘味処の茶菓子の詰め合わせだったのだが、こう見えて甘党である実弥が選んだ茶菓子は最高に美味だった。
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…だから、今実弥が持ってきた茶菓子に視線がいってしまっていることは許していただきたい…
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怜。(プロフ) - えなさん» 友人の方にお薦めいただけるとは!!こちらも感動しております!今後ともよろしくお願いいたします! (9月1日 1時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - えなさん» コメントありがとうございます!全然読みにくくなんてありません!感想を細かくいただけることが作者としては本当に嬉しいです!感想のコメントは長ければ長いほど嬉しいですのでこちらこそありがとうございます! (9月1日 1時) (レス) id: 65413915ce (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - これも含めて7個もコメントしてしまって長ったらしく本当にすみません😂 最高の作品ありがとうございました!作者様のこれからの執筆活動も応援しております!!それと周りの鬼滅好きの子にこちらの作品を派手に勧めておきます!!💎✨ (9月1日 0時) (レス) id: e79cecb8f8 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - 会ったのは久しぶりです!!このような素敵なお話を書いてくださった作者様に感謝と尊敬を抱いております...!本当に本当にありがとうございました!!そうだ伝え忘れていましたが、キャラクターの口調の再現もとても上手でそれぞれが話し声が頭に浮かんできました! (9月1日 0時) (レス) id: e79cecb8f8 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - すぐ作者様にお伝えしたくて、あと余韻が残りまくりで興奮しているのもあり長文で読みにくい文章になってしまってすみません!また宇髄さんを供給したくなったときにこのお話を再度読めるようにお気に入りに追加させていただきました!こんなに読んで満たされた小説に出 (9月1日 0時) (レス) id: e79cecb8f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜。 | 作成日時:2021年7月20日 21時