そこまで! ページ22
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ごろごろと転がった妓夫太郎と堕姫の頚は見合わせるようにして止まった。
「「…」」
「うわぁぁぁん!お兄ちゃん!!
なんで、助けてくれなかったの!!
頚斬られちゃったじゃない!」
「俺は柱相手にしてたんだぞ!!」
「私だって柱相手にしてたわよ!!」
「知るか!!
自分の身くらい自分で守りやがれ!!」
「だったら、そういうふうに操作すればよかったじゃないアタシを!!
何もしなかったお兄ちゃんが悪いんでしょ!?」
『「…」』
天元とAは怪訝な表情で目を見合わせた。
「アンタみたいに醜いやつがアタシの兄妹なわけないわ!!だって、全然似てないもの!!
役立たず!!強いところしかいいところがないのに、勝てないなんて何の価値もない!!
出来損ない!!」
「ふざけんじゃねぇぞ!!
出来損ないはお前だろうが!!
お前一人だったらとっくに死んでんだよ!!
俺が生かしてやってたんだよ!!
弱くて何の取り柄もないお前みたいな奴を今まで庇ってきたことが心底悔やまれるぜ!」
兄からの罵倒により堕姫の目には涙が滲んできていた。
『…』
「お前さえいなけりゃ、俺の人生はもっと違ってた!
お前さえ…『はい、そこまで!!』
「「「…っ!」」」
急に割り込んだ彼女に兄妹だけでなく、天元も驚いていた。
『兄妹喧嘩はそこまで。
私は…さっきも言ったけど、あんたらがなんで鬼になったのかなんて知らないし知りたくもないし、同情なんか絶対しない。
どんな理由があろうとも、人を殺すってことは…命を粗末に扱うということは、この世に産み落とされた者として絶対にあってはならない。
ろくな死に方なんてしないのはわかりきってたことだろうし、この先の道も決して明るくなんかない。
あんたらは絶対に許されない。
だけど、あんたらはお互いに必要としていた。
それは、きっとこれからも。
だから、もう…いいでしょ』
二人は目を見合わせながら…涙を溢しながら、消失した。
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妓夫太郎は最期…
「ごめ…ん、梅…」
そう呟いていた…ような気がした。
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ゆい(プロフ) - 遊郭編お疲れ様でしたー!相変わらず天元様にキュンキュンしながら読ませてもらいました(^^)作者様関西の方なんですね!私関西弁すごく好きなのでバンバン出してってください!笑 これからも、楽しみにしてます(*^ω^*) (2020年9月27日 22時) (レス) id: 197940d511 (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - ゆいさん» ほんとですか!?ありがとうございます!原作の天元様が素敵なので、私も天元様を素敵に描けているのならめちゃくちゃ嬉しいです!それと、作者のペースでと言ってもらえて凄く心強いです! (2020年9月7日 17時) (レス) id: 0029dd2ea6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 物語の最初から一気に読んでしまいました!天元様素敵さぎますし、夢主ちゃんも強くてかっこいいです。続きがすごく楽しみです。作者様のペースで更新頑張ってください(^^) (2020年9月7日 14時) (レス) id: 197940d511 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜。 | 作成日時:2020年9月5日 23時