エピローグ ページ18
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約一年後…
あれから、平和な毎日を送っていた。
今日は七夕。
女たちは食事の準備、男たちは笹や短冊、飾りの準備に追われていた。
そんななか…
「A!」
『納豆小僧!どうしたの?』
納豆小僧に話しかけられたAは納豆小僧と目線を合わせるため、しゃがみ込んだ。
「オイラ、Aに見せたいものがあるんだ!」
『見せたいもの?』
「ついてきて!」
彼女は納豆小僧に手を引かれ、ある部屋まで連れて行かれた。
『なにー?なんかあったの?』
彼女は納豆小僧に軽く問いかける。
「…実は、こんな日が来るだろう。
来て欲しいなって思って、ずっと残してたんだ」
納豆小僧からなにか紙のようなものを手渡される。
『これは…短冊…?』
それは、表に"奴良組安泰"と書かれた短冊だった。
『ふふ、これ誰が書いたの?』
「…首無だよ」
『首無?
"奴良組安泰"だなんて、首無らしいね』
「…Aに見せたいのはその裏だよ」
彼女はゆっくりとそれを裏返した。
「多分他の誰も気付いてない。
オイラが見つけたのも去年が初めてなんだ」
『…っ、』
彼女は目を見開いた。
そこに書かれていたのは…
"Aに、逢いたい"
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作者名:怜。 | 作成日時:2020年8月13日 13時