検索窓
今日:15 hit、昨日:18 hit、合計:21,666 hit

回復 ページ16

.






その後、奴良組に帰ってきた一行は、すぐにAに手当てを受けさせた。



全身の雷によるやけど。

妖力抑制による体力の消耗。

何百年も手足首から離れなかった枷の跡。



思ったよりも重症だった。





彼女は奴良組に着いた途端、崩れ落ち、夢の世界へ誘われ、それから丸二日、眠り続けた。



首無はずっと彼女の看病をしていた。





ーーーーー





彼女は手に温もりを感じて目を覚ました。


周りの様子を窺うと首無が自分の手を握り、船を漕いでいる姿があった。






『…首無』





首無は彼女が目を覚ましたことに気がついた。





「…A、大丈夫か…?
身体痛くないか…?」


『…うん』



彼女はニッコリ微笑む。





『もう大丈夫。
首無が看病してくれたの?』


「あぁ、鴆様と鯉伴様も助けてくれたよ」





彼女はほぼほぼ完治していた。

やけども消え、手脚の血が滲んだ枷跡もほとんど消えていた。


鯉伴の治癒能力と鴆の薬があったからこそ、ここまで完治が早かったとも言えるだろう。





『そっか、あとで、お礼言わないとね』






「なぁ、A…」


『ん?』


「身体動かせるか…?」


『ん?うん。

どうしたの?』





「今夜、流星群が見られるそうだ。

だから…一緒に見ないか…?」





『…っ!』


彼女は弾けるような笑顔で頷いた。



.

最終回 →←灰しか残らないくらい



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (42 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
79人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:怜。 | 作成日時:2020年8月13日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。