検索窓
今日:27 hit、昨日:41 hit、合計:372,973 hit

あの局面で一人で ページ30

.





「…あんがとよ、奥さん。

じゃあな」





天元はそう言って、三人の嫁と共に、京極屋を去った。





.






.






「天元様…?」


雛鶴はさっきから黙り込んでいる天元の顔をおそるおそる覗き込んだ。




「…なにか、ご不満でも…?」


「あいつ…A、あの局面で、京極屋には一人で行くなんて言いやがった」



「えと……言ってました…?」


「目が言ってた」


「…さすが」


「確かにあいつがこんなかで一番強いのは間違いねぇけどよ…」








「…でも、四人で三つの見世に分かれるなら、そのうちの二人は必ず、一人で潜入することになりますよね?」



二人の話を聞いていたまきをがそう言った。







確かに一人で潜入するということが特別なわけではない。

もう一人そうしなければならないのはたしかなのだから。

だが、彼女は一人で行くことをわざわざ天元に伝えたのだ。







「あぁ、そうだ。

あいつは、あの見世に違和感を感じたんだろう。

あそこに鬼がいる可能性が高い」



「「「…っ!?」」」



「もちろん、確証はない。

…だが、あいつの勘はよく当たる」







.






「天元様…」

「なんだ…?」



黙っていた須磨が口を開いた。






「だったら、何故わざわざお一人で…?

鬼がいる可能性が高いなら、一人より二人の方がいいんじゃ…?」



「確かにそうだ。

だが、二人で潜入する欠点もある」



「欠点ですか?」



「二人で報告し合っている様なんかを鬼に見られたとしたら、勘付かれる可能性がある。

鬼の勘が鋭ければ、話していなくても何かしらの繋がりが地味に伝わる場合もあるしな」








三人は、腑に落ちた。



天元は、それに…、と続ける。





「お前らに出来るだけ危害を加えられたくないっつーのが本音だろうな」



「「「え?」」」



「並の鬼だったら、あいつなら問題なく始末できる。

極力、お前らを危険に晒したくないっていう気持ちは…俺もよくわかる…」





「…でも、天元様はA様にも傷ついて欲しくないんですね?」


まきをがそう言った。




「…あぁ…だが、あいつは…

あいつ自身が強いから、護られるだけじゃ足りねえんだよ…」




三人は、天元のその複雑な表情に、それ以上何も言えなかった。





.

お三津の淡い期待→←思ったより目立つ一行



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (168 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
521人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 宇髄天元
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

怜。(プロフ) - Ach1ch1さん» こちらこそありがとうございます! (2021年10月5日 13時) (レス) id: 0029dd2ea6 (このIDを非表示/違反報告)
Ach1ch1(プロフ) - ありがとうございます(^^) (2021年10月5日 8時) (レス) id: 7c41a08aa3 (このIDを非表示/違反報告)
Ach1ch1(プロフ) - 白い世界へのパスワードを教えていただきたいです。 (2021年10月4日 20時) (レス) id: 7c41a08aa3 (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - 有紀さん» 白い世界へのパスワードをお伝えしていたのですが、コメント欄にてそのパスワードが誰でも見れる状態が続いていたので、消させていただきました…!すみません!もし確認されていないようであれば、もう一度お伝えいただけると幸いです! (2021年9月21日 23時) (レス) id: 0029dd2ea6 (このIDを非表示/違反報告)
有紀(プロフ) - 初コメがこれで失礼いたします。白い世界のお話を読みたいのでパスワードを教えて欲しいです!よろしくお願いします! (2021年8月30日 19時) (レス) id: 6e9316e3b7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:怜。 | 作成日時:2020年6月26日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。