本当は助けたかった 天元side ページ11
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天元side
やっぱり、お前が気にするのはそこなんだな…
違うんだよ、A
俺の顔がこわばっていたとしたら、
それは、家族が死んだからだとか、鬼になったからだとかが理由じゃない。
あいつに、あいつらにこれ以上お前を傷つけられたくないからだ。
でも、お前は、そうやって自分のことじゃなくて、俺のことを気にかけるんだろ…?
「…お前が頚を斬ったのは、末の弟だろ?」
『…うん』
「お前は前からあいつのこと、こっちに来いって気にかけてたもんな。
あの二人についていくのはやめろって。
でも、俺はお前が手を差し伸べたときに、その想いを無下にした時点で、正直あいつに何も思わなくなった。
俺にとってお前が…大事だからだ。
…お前が生きてればそれでいいんだよ、俺は。
だから…俺のことを気にする必要はない」
俺はAの大きな瞳を真っ直ぐに見据えた。
すると、彼女は小さく息を吐く。
『…うん』
俺はAの頭を軽く撫でた。
『…でも、やっぱり、あの子こと…天宇のこと、気にはなってたからさ…
もちろん、鬼になったとわかった時点で躊躇いは捨ててた…つもりだったけど…
あの子を自らの手で殺したとき…
なんか…虚しくなった…』
Aはぼーっとしたまま、自分の悲痛な想いをゆっくりと口にした。
『っ本当は、助けたかったんだよ…
結局…あの子を置いて私は里から逃げたから…
あの子を一人にしたから…』
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怜。(プロフ) - Ach1ch1さん» こちらこそありがとうございます! (2021年10月5日 13時) (レス) id: 0029dd2ea6 (このIDを非表示/違反報告)
Ach1ch1(プロフ) - ありがとうございます(^^) (2021年10月5日 8時) (レス) id: 7c41a08aa3 (このIDを非表示/違反報告)
Ach1ch1(プロフ) - 白い世界へのパスワードを教えていただきたいです。 (2021年10月4日 20時) (レス) id: 7c41a08aa3 (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - 有紀さん» 白い世界へのパスワードをお伝えしていたのですが、コメント欄にてそのパスワードが誰でも見れる状態が続いていたので、消させていただきました…!すみません!もし確認されていないようであれば、もう一度お伝えいただけると幸いです! (2021年9月21日 23時) (レス) id: 0029dd2ea6 (このIDを非表示/違反報告)
有紀(プロフ) - 初コメがこれで失礼いたします。白い世界のお話を読みたいのでパスワードを教えて欲しいです!よろしくお願いします! (2021年8月30日 19時) (レス) id: 6e9316e3b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜。 | 作成日時:2020年6月26日 15時