"あいつ" ページ7
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次の日の夜、リクオからの指示で二人一組で、もう一度見回りに出た。
もし攻撃されて一人が動けなくなってもすぐに伝達できるように、だ。
首無は毛倡妓と行動していた。
「ねぇ、首無」
「なんだ?」
「なんか聞こえない?」
「…?
…そうだな」
首無も耳を澄ませると、音が聞こえているのがわかった。
ピチャッ
ズルズル
ピチャッ
ズルズル
今夜出会ったのは…首無と毛倡妓。
二人はその音がする方に体を向けたが、外灯の光が当たっておらず、影しか見えなかった。
目を凝らしていると、女が外灯の下に姿を現した。
「「っ!」」
河童の言うように、鎖の手枷足枷をつけ、遊女のような着物を着ている。
「首無…まさか」
「…」
首無は目を見開いて固まっていた。
「首無…?」
毛倡妓は首無の顔を覗き込んだ。
「っ!」
毛倡妓には、首無の見開いた瞳に涙が浮かんでいるように見えた。
「毛倡妓…"あいつ"だ…」
首無は掠れた声でそう言った。
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怜。(プロフ) - 時雨さん» ほんとですか!?ありがとうございます!!もしかして水禍の華以外のお話も読んでくださったりしているのでしょうか…? (2020年7月26日 22時) (レス) id: 0029dd2ea6 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 前からずっと読ませていただいています!怜。さんのお話や書き方すっごくおもしろくて大好きです!陰ながら応援してます! (2020年7月21日 20時) (レス) id: 5e501a5e16 (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - シルバーウルフさん» ありがとうございます!(^^) (2020年6月30日 0時) (レス) id: 0029dd2ea6 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - 楽しかった。(o・ω・o)これからの更新も楽しみにしてるね。(o^O^o) (2020年6月29日 23時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - これからの更新も凄く楽しみにしてる。(o・ω・o) (2020年6月26日 23時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜。 | 作成日時:2020年6月23日 15時