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坂田さん ページ17
坂田さんが私の横に並ぶ。
『坂田さん…』
「A、謝ったか?」
横に首を振る。
「今すぐ謝りーや」
『…やです』
「嫌ちゃう。謝らんとあかへんのや」
いつもより少しキツめの口調で言う。
私は黙りっぱなし。
「A!早う謝りなさい!」
坂田さんが怒った。いつも温厚な坂田さんが。
私が黙っていたのは謝りたくなかったからじゃない。
声を出すと、泣いてしまいそうだったから。
『…ごめんなさい』
酷く掠れた声だった。
「そんなので許されると思ってないでしょうね」
「ママ、もういいから」
「波鷺…」
「元はと言えば波鷺が悪いんだもん」
親子の会話を聴きながら、私は坂田さんの方を見ていた。
「…A、ちゃんと言えたやん。偉いで」
坂田さんが頭を撫でてくれる。
「すいません、先生。この子早退させます」
いきなり坂田さんが先生に告げた。
先生は、お、おうみたいな感じで、教室からでる私たちを見つめていた。
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設定タグ:浦島坂田船
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