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『うわっ、もしかして俺最後ですか...?』
みんなの話を頷きながら聞いていたら、いつの間にかみんなの目線の先は俺になってしまっていた。
「ほら、頑張れ!」
さっきとは逆に廉くんが俺の背中を叩いて励ましてくれる。
顔を上げると優しい目をしたみんながいた。
『俺は画面越しに初めて日高さんに会った時に、1番になるためにここに来たって言ったんですよ。』
『そんなこと言っておきながら少しビビってたときもあったんですけど、』
『最初から俺の思いは変わってません。』
『俺は1番になります。』
『俺が1番にこだわってるのは、親のためでも、友達のためでもないです。』
『自分のためだけです。』
『俺の大好きな音楽で、誰かに想いを届けて、それで1番とれたら、カッコよすぎじゃないですか。』
『そんなかっこいい自分になれるまで俺は上を目指します。』
「最後円陣組もうぜ、みんなで。」
立ち上がった礼王くんの言葉で各々が腰を持ち上げる。
「みんな一人ひとり言ったことが全てだと思うし、」
「この曲が僕らの人生にとって宝物になると思うし、」
「一生戻らない過去になってくるじゃん、この1秒1秒も、」
「絶対にいい作品作って、絶対に周りの人に恩返しして、」
「絶対に日高さん泣かせましょう。」
「SKY-HIさん倒そう!」
『「THE FAST!」』
やっぱりこういうのって気合い入るな、なんて思っていたら、近くにいた蘭くんも同じだったようで、
「なんか気合い入ったよね。」
『うん、めっちゃ。』
「やっぱ、みんなをまとめて気分上げるの上手いよな〜。」
『うん、きっと礼王くんにしかできないことだと思う。』
「だよね。」
布団に入ってからも上がりすぎたテンションは下がることはなく、明日からの練習や本番のことを想像しながらまた大切な一日を終えた。
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りこ(プロフ) - 続き待ってます!! (11月29日 23時) (レス) @page16 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayu | 作成日時:2022年11月19日 20時