合宿最終審査 ページ6
13時。日高さんと13人が集まり、緊張感の漂うこの部屋で日高さんの口が開くことを待つ。
「次の審査の内容の発表をします。」
「まず、次もチーム戦です。」
「チームのメンバーは、ここにいる13人全員。」
「擬似プロ審査を終えた君たちが挑むのは、」
「VSプロのアーティスト。」
「THE FAST合宿最終審査、君たちが挑むプロのアーティストは、」
「もう目の前にいます。」
「THE FAST合宿最終審査、課題曲は『To The First』。」
「君たちが挑戦するアーティストの名前を教えましょう。」
「SKY-HI。」
なにこれ。カッコよすぎでしょ。
そんな二言しかでてこなくなる程に衝撃が身体中に走った。
審査内容が発表されてから直ぐに、俺たちは最終審査へ向けて準備を進める。
礼王くんと真人くんの間に座り、歌割りを決めていく。
合宿最終審査だからといって特別ピリつくことも無く、普段通りの空気感で進められていった。
曲を聴きながらスタッフさんに貰った歌詞カードに思ったことを綴る。
ふと周りを見渡すと、全員お揃いの赤いリング。
お互いが仲間であることが形として現れていて、それはいつしか俺の心を落ち着かせるものとなっていた。
『あ、俺ここやりたいです。』
It’s not too late Never too late to start 逃げやしないさ
今の時代、俺よりもずっと小さな子でも凄まじい歌唱力だったり、大人も圧巻するようなパフォーマンス力を持っている子なんて沢山いる。
それでも何かを始めるのに遅すぎるなんてないのだと、そう背中を押してくれるような歌詞が聞く度に頭に残っていった。
約4時間かけて歌の振り分けを終えた。
「ちょっといいですか。」
そう言って壮大くんが手をあげる。
「俺に任せてくれるなら、大雑把な振り付けを俺が作っちゃおうかな。」
「うんうん。」
「土台は絶対壮大に作ってもらった方がいい。」
『俺もそう思う。』
「そうちー任せた!」
壮大くんのことを唯一あだ名で呼ぶ廉くんは壮大くんの肩をバシッと叩いた。
壮大くんは痛いなんて肩を擦りながらも、顔に嬉しさが滲み出ていた。
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りこ(プロフ) - 続き待ってます!! (11月29日 23時) (レス) @page16 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayu | 作成日時:2022年11月19日 20時