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ここまでくるのに長かったのか短かったのかは俺にも分からないが、いよいよ残るは塁くんと樹音くんだけとなってしまった。
最初よりも数倍増した緊張感の中、日高さんの息を吸う音が聞こえた。
樹音くんは俺らの隣に並び、目の前にいたのは日高さんと塁くんだった。
重くなっていく瞼をあげ塁くんの様子を伺うと、想像通りの表情から零れた涙が視界に入る。
「あとごめんなさい。」
急に日高さんから予想もしてない言葉が出てきて、周りも困惑気味な雰囲気となった。
「「BMSGからのデビューを一緒に目指してくれませんか?」と思い、手書きで誓約書書いてきました。」
急な展開に俺たちも驚きを隠せなかった。
いや、「驚き」というよりも「嬉しさ」の方が強かったのかもしれない。
塁くんが手書きの誓約書を受け取ったあと、塁くんの元へと駆け寄る。
「すげーよ。」
「かっけーじゃん。」
耳を真っ赤にした塁くんからは、やはり「悔しさ」は消えないものの、「喜び」も入り交じったような複雑な表情を浮かべているように感じた。
「13人でいい夜を過ごせたらなと思います。」
「中学生に「いい夜」って言われちゃった。」
「負けてらんねぇよ。」
『ふふっ。』
塁くんの「いい夜」発言もあり場が一気に和んだところで、日高さんから合宿終了の合図が告げられる。
「これにて1ヶ月に及ぶTHE FIRST合宿」
「完全に終了!」
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りこ(プロフ) - 続き待ってます!! (11月29日 23時) (レス) @page16 id: c4c1d5cc21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayu | 作成日時:2022年11月19日 20時