More than anything 2【BE:FIRST】 (ページ14)

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ステージを降りると、待っていたのは先生方。
成長したね、感動した、なんて言葉を聞くと疲れもあってなのかほんの少しだけ目頭に水が溜まる。

｢A涙腺緩すぎじゃん笑｣

そう言った蘭くんの背中をグーパンチした後、足早にバスに乗り込んだが、結局捕まってしまい罰として肩を貸すことになってしまった。
重いからもう辞めたいんだけど笑

｢...今重いとか思ったっしょ。｣

『うげ、ばれた？』

｢Aは顔に出やすいんだよなー。｣

｢あっ、肩はバス降りるまで借りてるから。｣

『うわぁ、ひっど笑』

蘭くんに文句言ったり、前に座ってるレイちゃんに愚痴ったり、みんなで大合唱していたら意外とすぐに着いてしまった。

『失礼します。』

夜、13人は集められた。
これから結果発表が行われるのだ。

｢正直な話、個人的な思いとしては、ここまで素晴らしかったから、｣

｢｢順位とかないだろ｣｢みんな1位だ！｣みたいなことを思わず言ってしまいそうになったり、｣

｢脱落者を決めるなんてことも、しないでいいんじゃないかと思ってしまう気持ちばかりだけど、｣

｢やっぱりちゃんと決めた通りに進めて、｣

｢その理由をしっかりとお話してやらないといけないと思ったので、｣

｢発表していきます。｣

｢...位、A。｣

『はいっ。』

俺が名前を呼ばれたのは竜平くんの次、つまりは2位。

｢Aが歌い出した瞬間、周りの空気どころか会場全体がA色に染まっていくような、そんな強烈な印象を与えられました。｣

｢『MOVE ON』の時とは比にならないくらい目の色、表情が劇的変わっていて、｣

｢正直僕も全身に稲妻が走ったようでした。｣

｢そして、Aには歌やダンスという技術的な面よりも、感情ののせ方などの面でたくさん指摘したけれど、｣

｢歌もダンスも表情も、どこをとっても高いポテンシャルを持っているAに今回のような輝き、これが加わった今のAは1人のアーティストとしても素晴らしい評価を与えることができると思います。｣

以前の俺だったら、この順位を嬉しく感じていただろう。
それが今回悔しさの方が強いのは、1位ではなかったからであった。

パフォーマンスし終えてからここに集められるまで、俺の中では自信が半分以上を占めていて。
自分が1番輝いていたし楽しんでいたと思っていたが、それでも2位であったのは、俺を悩ませるのには十分だった。