More than anything 2【BE:FIRST】 (ページ13)

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全員のコメントが終わり、日高さんは用意しているものがあると言い残してどこかへ行ってしまった。

｢Aちょー泣いてんじゃん。｣

『...舜斗も泣いてたじゃん。』

｢A程じゃないし。｣

そんなことを言っていると日高さんが走って帰ってきた。
手にしていたのはパーカーで、会場が一瞬で笑顔に満ち溢れる。

｢えー、日高さん。｣

｢これをいただいたのも必然かなって思うんですけど、｣

｢『TO THE FIRST』一緒に踊っていただけませんか？｣

壮大くんの言葉を合図に頭を下げる。

｢ダメだろたぶん。｣

｢無理だよ。｣

｢無理無理。｣

｢やりましょう。｣

『｢いぇーい！｣』

おそろいのパーカーに着替え14人で『TO THE FIRST』を披露することに。

｢うわぁー、やば。｣

『真人くん、髪にゴミついてますよ。』

｢えっ、まじ？ありがとー。｣

『さっ、早く行きましょ！』

｢Aちょーテンション上がってんね笑｣

『TO THE FIRST』を日高さん含めた14人で踊るのはきっと最初で最後。
心から楽しもう、そう考えたと同時に目が合った礼王くんが微笑みながら頷いた。
きっと礼王くんも同じこと考えてたのかな、なんて。

大好きなイントロが流れ、何度も聴いた歌詞が流れ。
素敵なパーカーに身を包み、途中で廉くんとハイタッチなんかもして。
日高さんが加わったタイミングで元々盛り上がっていたステージは熱さを増していった。

『｢ありがとうございました！｣』

俺の心の中のアルバムに濃くぎっしりと詰め込まれるような、そんな幸せな一時だった。