black or… (ページ7)

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Hongseok side

ED「おい、ホンソク。」

「あっ、何？」

ED「さっきからぼーっとしすぎ。何かあったのか？」

「いや、何でもないよ。ちょっと考え事してただけ。」

ED「あっそ。俺、先練習室行ってるから。」

「ん、分かった。」

イドンがリビングからいなくなって宿舎にいるのは俺一人となった。

"ホンソク。"

頭を振って、何度も浮かんでくる君の笑顔を消す。今さら思い出してどうする。もう、終わったことだろう。

2人の時は俺の事を呼び捨てで呼んだ君。俺より先にデビューして1位を獲得した君。かつての"恋人"は今や遠い人となってしまった。

「はぁ。」

今日、何度目の溜息だろう。

Aがデビューを飾った日、メンバー達と一緒にテレビでそのステージを見ていた。久しぶりに見たAはあの時より大人びて、一段と綺麗になっていた。

"私達、もう終わりにしましょ。"

"え、"

"ホンソクの重荷になりたくないの。"

"重荷になんてなってないよ。"

"なってるよ。あと、これ返す。"

"A…！"

別れたあの日、記念日にあげたペアリングを外して俺の前から去ったA。そのリングは今でも残ってる。何故か捨てられなくて。俺は棚の奥にそれをそっとしまった。

「馬鹿だな、俺。」

イドンが淹れてくれたコーヒーを一気に流し込む。今の俺にはそのコーヒーがすごく苦く感じた。