おはようございます、ガラル地方。【反応集】

＊＊＊ ページ35

【10分間ハグをしないと出られない部屋】


○カブ

「長くないかな！？」

看板に書かれたお題を見て、汗が出るほど困りだしてしまう彼。ハイ、と彼に向けて腕を広げてもいっこうに向かってきてくれません。痺れを切らした貴方が『ほら！早く！！』と急かすと、「後で殴るなりなんなりしていいから…」とか言い出すので、そんな彼を窘めて、貴方からそっとハグをします。初めは驚いた素振りを見せますが、貴方に釣られるようにして優しく、腫れ物に触るようにそっと抱きしめ返します。『カブさんとだったらもっとしてもいいくらいです』と彼の腕の中でぼそりと呟くと、

「…ごめんね、ちょっとだけ」

貴方を抱きしめる腕の力が少しだけ強まります。
10分が経ち、扉が開く音がするとすごい勢いで離れますが、数日後から、「少しだけいいかな」とハグのおねだりをするようになるカブさんはいます。



○サイトウ

「いいですか」

驚かない、狼狽えもしない。心が乱れてない故でしょうか、お題を見ても全く動じません。飛び込んでこい、とでも言っているような腕の広げ方をするのに加え、実際彼女の腕の中に収まると、「…かわいいです」と聞こえるか聞こえないかの声量でボソリと言われてしまうので、もうときめきが止まらなくなります。しかし、彼女が照れなどを一切見せないのが少し寂しくて、『緊張したり…、しませんよね』と自己解決したような形で聞くと、
　
「…あなたとの抱擁だけで、こんなにも心拍が上がる人間ですよ、わたしは」

頭の位置を、彼女の心臓の辺りに動かされ、ドクンドクンと高鳴る彼女の鼓動を聞かされます。嬉しいやら恥ずかしいやらで赤面している貴方を、彼女はとても優しい目で見つめていたとか。このまま部屋から出なくても良いのではないか、とでも思っているかもしれません…。

＊＊＊(続き)→←＊＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す