【ツイステ】全てを知り全てを知らない人魚の少女 (ページ23)

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21話~毒林檎君と人魚~ ページ23

次の日

in教室

今日はアズール先輩達と登校出来て良かった、前は出来なくて寂しかったからね

まぁすぐリドル先輩会えたから良いけど〜

「あっ…………えっと、おはよう………？」

貴女「ん？……あぁおはよう、ポムフィオーレ寮の子…だよね

私はオクタヴィネル寮のA・ボイド

よろしくね〜」

席に座ってボーッとしていると突然隣から話しかけられる

何人分か離れた所に

エペル「あっ…特待生の………ぼ、僕はエペル・フェルミエ

よろしくAさん」

貴女「……呼び捨てで良いよ〜？よろしくエペル君」

話しやすいように直ぐ隣をポンポンと叩く

エペル君は意味を理解したのか一瞬戸惑って私の隣に座ってくれた

エペル「………あの」

貴女「ん？」

エペル「その、本……何読んでるの？」

貴女「あぁこれ？」

大図書館から一冊適当に取り出して暇な時間を潰していたから、まだその本は手元にある

そっか……この本もこの世界ではない違う世界の本だから珍しく思うよね、言語違うし

貴女「これはグリム童話だよ」

エペル「ぐりむどうわ？」

貴女「そう、グリム童話………時間まで一緒に見てみる？」

エペル「！うん………！！」

可憐で大人しめな見た目とは裏腹にどうやらエペル君は意外と好奇心旺盛ではしゃぎたがりみたいだね

本をエペル君も見やすいように開いて朗読していく

貴女「……ネズミ駆除を依頼したのです」

エペル「ネズミ駆除か……」

貴女「……笛を吹きネズミを操り」

エペル「えっ……あっ魔法？」

貴女「……しあし王は報酬を渡しませんでした」

エペル「クズだ……」

貴女「……教会のミサで大人達が不在の時」

エペル「えっ……うわわ…？！嘘…」

貴女「……笛の音に釣られた街中の子供達は」

エペル「………そんな事が有り得るんだ…」

貴女「そして、ハーメルンには子供が誰一人としていなくなりました、おしまい」

朗読を終わり、本を閉じる

エペル「……これは完璧に大人達の自業自得だよね」

貴女「ふふっそうだねぇ……でもこれはハーメルンという遠い遠い場所で起きた実際の事件なんだよ〜？」

エペル「え？」