検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:9,841 hit

43話~世界一優しい色~ ページ44

 




 

 
どこかで




硝子玉が割れた音がした



 







 

 






 




 




 



 



 


 




聞こえる
 





 



 

泡が上へ逃げていく音が









体が水底に沈む音が









暗くて、目の前には月の光が水面越しで降り注いでるのに









手を伸ばしても届かない









冷たい水に体温が徐々に奪われる

 

 


 



 







 



 


 
助けて……師範…



 









やはりまだ私は……抗えない






 






 





 



 

「………………もう、大丈夫だぞ」







 








 
 


 





 


 


 


 


誰?









暖かい手……









でも今触れちゃ駄目です…今私に触ると、あなたの手まで冷たくなっちゃう






 




 







 


 


 


 

冷たくて、息が出来ない

 




 



 

 


 

 


 

貴方にはそんな思いして欲しくない









 



 


 



どうか、その温もりを守って…






 




 


 




 


 




 





 



 


 




 




貴女「…………し、は…ん?」







意識と体が冷たさから解放されて、いつの間にか閉じていた目を開ける







?……室内…水じゃない……









ゆめ?









寝起きでまだ少しぼやける意識を何とか保ちつつ、一つ確認する







頭を触って夢の中で感じた温もりを確かめる







………暖かい…誰かが私を引き揚げでくれた?









誰だろう






 



 


 


何となく寝れないような気がして




目を擦り隣の棚の上に置いてあったモノを持って月明かりだけで照らされる暗い部屋を出て廊下を歩き出す





……お水でも貰いましょうか…









にしても誰だったんでしょうか…私の頭を撫でてくれた人は

 

 


 
善逸は夢の中でも周りの音が聞こえると言うけど、同じくらい耳がいい私は夢の中では音が分からない


 

夢の中の音でいっぱいいっぱいだから


 




 





 

 

 

 

 


 


 



とても、泣きそうなほど暖かい手だったな…









貴女「にしたって、何故ビー玉?」








部屋を出る際に握り締めた、いつの間にか置かれていた一つのビー玉






綺麗な緑色








緑色は人の心を落ち着かせる色と言われていて、本当にその通りだ








月の光に照らせば、世界一優しい色になった

44話~風の子の来坊~→←42話~思わぬ所で接点~



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (7 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
10人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 逆ハー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:元薺(サイ)だった者 | 作成日時:2020年8月10日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。