【ツイステ】全てを知り全てを知らない人魚の非日常 (ページ8)

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Aさんがプールの中に入ってウツボ先輩二人と遊ぶのを見るとアズール先輩がこっちに戻ってきた

椅子に座る僕の横に置いてあるもうひとつの椅子に静かに座る

ふと、そこで疑問に思った事を聞いてみる

ユウ「ねぇアズール先輩」

アズール「なんですか？」

フロイド「ほぉらA、クルクル〜」

貴女「わー！…あははっ！今度はジェイド！ジェイドもやってみて〜！」

ジェイド「ん〜ぼくはフロイドよりも下手ですよ？」

フロイド「えぇ？いいじゃんいいじゃん〜！俺も見たぁい」

ユウ「………Aさんって昔は何であんなに顔を顰めてるんですか？

それに何か……常に周りを警戒してるって言うか…」

プールの中、戯れる三人を見る

ウツボ先輩二人はやはりいつ見ても年相応な雰囲気でAさんはさっき僕を前にして出していた雰囲気とは違い

年相応な可愛い女の子にしか見えなかった

だとしても眉毛は下がっていて、所謂困り顔のまま

アズール「…………Aは、貴方もご存知の通り両親は幼い頃から既に居ません

母親は人間に騙されて捕らえられ捌かれた

父親はAが産まれてから直ぐに行方不明

そんな中Aは一人で必死に弟の世話までこなしてきました

あんまり言いたくないですが、僕も良くいじめから助けて貰っていましたよ」

ユウ「…やっぱりAさんはしっかりしてますね」

アズール「えぇ、ですが幼い稚魚が更に幼い稚魚を一人でお世話しながら身を守るのは到底無理です

ですので偶に家族ぐるみで仲の良かった僕の家に僕の母さんが連れて来てたんです

それでも天敵から身を守る事や寝床を探す事、流石の僕達でもカバーしきれないことはありました

そんな多忙で、まさに休憩のない時間をずーっと過ごしていくうちにAは自然とあの、眉間にシワを寄せるようになりました

ずっと、ずっと、顰められた顔が笑顔になる事はありませんでしたよ

ですが僕達の前にリーチ兄弟がやって来てからは、少し元の表情に戻っていったんです」

ジェイド先輩達が現れてから…？

そこで何となくアズール先輩の方を見てみるとアズール先輩は何処が寂しげに笑っていた

アズール「良くAや僕の変わりに弟の面倒を見てくれてたんです」