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八話~人の話は聞いとこう~ ページ9

in倉庫





僕達は其々倉庫にある木箱に座り時が来るのを待った









敦は体育座りをして




太宰サンは本を読んでる






僕も本を読んでる







先生が僕のために頑張って書いてくれた本




僕が本を読むのが大好きだって知ってたから作ってくれた僕のための先生の本







先生の作品は本でも、絵でも人形でも、なんでも素晴らしくて素敵なんだ







中島「太宰さんとAは何を読んでるんですか?」







太宰「佳い本」





貴女「素晴らしくて最高に佳い本」






中島「Aならまだ分かるけど…よくこんな暗い中読めますね………」






まぁ僕は視力が怖いくらいに良いからね





太宰「目は良いから、それに内容はもう全て頭に入ってるし」




中島「じゃあ何でよんでるんですか?」






太宰「何度読んでも佳い本は佳い」









………今日は月が綺麗な青色だ







僕は読んでいた本をソッと閉じて鞄に入れる







中島「………本当にここに虎は現れるんでしょうか?」





敦は声を震えさせている








太宰「現れる」





中島「!」







太宰「心配いらない」








中島「え?」




太宰「虎が現れても私の敵じゃないよ、これでも私は武装探偵社の一隅だ」








倉庫内には太宰サンの自信のある声と敦の自信のない震えた声が響く






僕は…喋らないよ






今は僕には口出しする権利はないんだ









中島「……凄い自信ですね…………何か羨ましいです






僕なんか、孤児院でもずっと駄目やつって言われててその上、Aを巻き込んで




今日の寝床も、明日の食い扶持も知れない身で





…………確かに、こんな奴が何処で野垂れ死んだって誰も気にしない…いや、いっそ虎に喰われてしんだ方が……」






横目で踞る敦を見る




そのまま太宰サンの方も見てみると彼は天窓から覗く月を見ていた






太宰「さて、そろそろかな…」







すると本を閉じて立ち上がった







ガタンッ








あっやばっ






中島「!…いっ今奥で物音が」





太宰「そうだね」







貴女「敦ごめんそれぼ」



中島「きっと奴ですよ太宰さん!!」






太宰「いや、きっと風で物が落ちたんだろう」









貴女「いや、だからそれぼ」



中島「ひっ人食い虎だ!!!僕を喰いに来たんだ!!!!」







駄目だ誰一人として僕の言葉聞いちゃいない…

九話~口出す権利は無い~→←七話~包帯人間二人と妥協~



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作者名:元薺(サイ)だった者 | 作成日時:2020年1月15日 1時

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