××フレンド

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すっかり日もくれ、
約束の時間が近づいて来たので家を出る。
昨日の失敗を活かし、今日はコートを着た。









「あっそういやゴム買わねぇと」









昨日、最後の1枚を使った事を思い出す。
よかったぁ思い出して。
それないとやってくれねぇからな。









「うっすいやつがいいんだよなぁ」









なんて生々しい事を呟きながら
ホテルから1番近いコンビニに入った。









“ これこれ ”っていつもの物を手に取り、
ついでに暖かいコーヒーも手に取った。
その足でレジに向かった。









･









「いらっしゃいませ、」
「…あ、」









ふと顔を上げるとそこには昨日の兄ちゃん。
そうだ、この人だ…
いつもゴム買うとこの……









「いつもありがとうございます」









今まであまり気にした事がなかったが、
この兄ちゃんの顔は
すごく幼くて可愛らしかった。









「あっあの昨日、これ落としましたよね」
「…？？」









あのへんてこなキーホルダーを渡すと
急にぱぁぁっと顔を輝かせた兄ちゃん。









「これ…！！」
「ほら昨日ぶつかったでしょ、」









ぶつかった事にピンと来たのか
「昨日はすみませんでした」って頭を下げた。









「はは、いいのいいの。
それに俺もスッキリしたし…」
「？？」
「ん？こっちの事だよ、」









お金を払ってゴムとコーヒーを受け取ると
またあの笑顔で
「ありがとうございました！」って兄ちゃん。









「じゃあな」ってかっこ良く手を振ったけど
今思えばちょっと恥ずかしい。

“ いつもゴム買って帰る人 ”って覚えられてんだろうな俺。

だってゴム買う以外にこんな家の近くでもないコンビニ入らねぇもん。
それにいつもありがとうございます、って。









「ぜってぇ覚えられてんじゃん。」









高校生くらいかな、
こんな遅くまで働いてて親心配しねぇのかな。









「ま、俺には関係ないかっ」









そうひとりごとを呟いて
今日の相手の女の子に“ もうすぐ着く ”ってLINEを送って足早にホテルへと向かった。

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