彼らが病んでしまいました。 ページ5
na
「おはようA。気分はどう？」
そう尋ねる彼は、今のこの状況、すなわち貴女の手首や足首に錠がなされている状況を作った張本人です。貴方はもう、ここから逃げ出す気力を失いかけていました。
「ここから出ようだなんてそんな事、考えないでね。ま、出ても捕まえるけど」
.
br
「今日は何してたのー？」
と聞いてくる彼は、貴女の行動全てを把握しています。朝起きて何をしていたのか、お昼間はどんな事をして過ごしていたのか、昼寝したタイミングなど、それはもう全て筒抜けだったのです。
「やっぱりそんなことだと思ったぁ……僕、Aの事ならなーんでも知ってるんだからね」
.
shk
「Aと関わるのは……俺だけでいい」
そんな事を貴方の前で吐露する彼は、全身に返り血を浴びています。法律が彼を拒んでも、貴方が拒まなければ彼は生きていけます。彼は、それだけ貴方を「愛して」いるのだから。
「お前だって……俺が他の奴とつるんでたら……嫌だろ？」
.
kntk
「あーはいはい。俺に全部任せとけって」
貴女のお世話は全部彼に任せっきりになってしまった今日この頃。彼にいくら「自分で出来る」と訴えても、彼は聞く耳を持ってくれません。それは、彼自身が自分を頼って欲しいから。
「Aのお世話は任せてよ」
.
sm
「……引いたか？」
貴方は今、彼の「秘密の部屋」に来てしまっています。彼は恐る恐る貴方にそう尋ねますが、脳内では今すぐにでもここに貴方を閉じ込めたいと思っています。壁一面、貴方に囲まれながら貴方との時間を過ごしたいと、そう願っています。
「俺と一緒にここで過ごそう？」
.
kr
「またそんな事あったのか……Aはそんな奴じゃないって事、俺は知ってるから」
貴方は周りとのいざこざを彼に相談しています。彼はそれに優しく包み込むように答えてくれますが、実際は彼のせいなのです。彼が貴女の良くない噂を周りに撒き散らす、貴方の悩みの元凶なのです。
「頼ってくれて嬉しい、ありがとう」
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作者名：氷華 璃瑠 | 作者ホームページ：http://https://mobile.twitter.com/K_hyoukariru
作成日時：2020年10月28日 23時
