帰ってきてみた【神・ni】 ページ16
私はここ二週間ほど、家出をしていた。
がっちり管理された家だったので、家出するのは相当な困難を極めた訳だが、友人の尽力もあり家出する事が出来た。
しかし、友人たちの努力も虚しく、数日で居場所を特定され、その後全財産を溶かすつもりで各地を逃げるように巡っていたが、呆気なく捕まってしまった。
sn「さあ、邸宅へ戻ろうか、お嬢様？」
『あ……はい……』
優しさの中に少し憤怒を孕んだ声に抗う事ができず、そのまま用意されていた車の中へ放り込まれた。
運転席に座ったしんぺいさんは、誰かと電話を始める。
sn「あー兄さん？……うん。今捕まえて、助手席で大人しくしてるよ。グルッペン達にもよろしく伝えといてくれる？……サンキュー。それじゃ」
少し話したあと電話を切り、私にこう言った。
sn「良かったね、ちょうど俺らの日に捕まって。グルッペンとかはまだマシかもやけど、これがゾムとかやったら大変やったで〜絶対」
運がいいことに、今日の担当は兄さんとしんぺいさんだったらしい。確かに、ゾムやショッピくん辺りが担当の日だったら色々と疲れていたのかもしれない。
『その……ごめんなさい……少し、好奇心が湧いて……』
移動中、何とか言葉を絞り出そうと、一つひとつ言い訳という名の弁明を重ねていく。運転しているしんぺいさんは、時々苦笑いをしながら聞いていた。
sn「あのね、Aちゃん。世の中は俺らみたいに優しい人だけやないんよ。中には、Aちゃんに酷い目に遭ってもらおうとして、わざと近づいてくる連中だっている。だから、俺らで守ってるんやよ？」
今まで拘束じみた様相で一緒にいたからこそ見えていなかった事情。
sn「俺らは本気で愛してるんよ。ね？兄さん」
すると、切られたはずの電話から、兄さんの声がした。
ni《そやね。今回みたいに急に居らんくなったら、何時どこでAが危ない目に遭うか分からへん。せやから、せめて世の中の汚い所をAが見ないように、経験しないようにしとるんやで》
兄さんの優しい声が、より一層罪悪感を助長させる。
sn「それじゃあ兄さん、今度こそまたな」
ni《ああ。はよ帰ってきぃよ》
sn「今高速乗って結構速度速めにしとるからそない掛からん」
ni《ん。じゃあなんか作って待ってるわ。A、何がええ？》
『……ハンバーグ』
ni《よっしゃ。そんならハンバーグ作って待っとるわ》
その日食べたハンバーグは、特別なものとなった。
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氷華 璃瑠(プロフ) - 影丸さん» 分かりました！ありがとうございます！！ (2020年7月21日 19時) (
レス) id: 915617822f (このIDを非表示/違反報告)
影丸(プロフ) - リクエストなんですけどよろしいですか？宜しければ旧海賊の絡みが見たいですので気が向いたらでもいいのでお願いします (2020年7月21日 18時) (レス) id: 2fce466c54 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 氷華 璃瑠さん» そうですね (2020年3月9日 21時) (レス) id: c718cabe48 (このIDを非表示/違反報告)
氷華 璃瑠(プロフ) - Aさん» そっちは……wrwrの姫は〇〇がお好きでやっていいですか？ (2020年3月9日 20時) (レス) id: 915617822f (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - リクエストなんですけど、吸血鬼系っていけますかね？ (2020年3月6日 23時) (レス) id: c718cabe48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷華 璃瑠 | 作者ホームページ：http://https://mobile.twitter.com/K_hyoukariru
作成日時：2019年11月30日 17時
