ストーカーはブラック審神者 (ページ15)

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○ ページ15

？「入院？なんで一般人のキミが時の政府の病院に？」

嘘をついていると判断されたようで鼻で笑われてしまった。
正直さっきから失礼な発言ばかりでイライラが止まらない。

強調するように発音した一般人がはなから私を馬鹿にするために口にしたんだろうと安易に分かってしまって掴まれている腕を振り払ってしまいたかった。

しかし悔しい事に今この人に守られている事実は道行く刀剣男士からの視線を受ける事によって実感しているため大人しく反論せずに着いていくしかないのが現実なのだ。

というか振り払う元気がない。

？「もっとまともな嘘つきなよ。端くれとはいい神様に嘘を付くなんてすごい度胸だね」

『本当に、入院してたんですって、！』

？「はいはい〜」

『だから、本当に』

？「もういいって、しつこいよ。業を重ねることになるからやめれば？」

語尾に笑がつくタイプの発言が返ってきた。

こいつ！！！！

引きづられている内に一周したようで、一般受付案内の場所まではもう目前だ。

待合が見えた途端に走って逃げれたらどんなにいいことか！

？「ほら、嘘つき女。ここまっすぐ行けば出口だからもう侵入するんじゃないよ」

ぐんっと引っ張られたかと思えば手を離されて床に倒れ込んだ。

肌が床に擦れて小さくキキッと音が出る。

過度な運動量と急なことで上手く受け身が取れなかった体が重すぎて強かに打った頭がぐわんと痛む。

傷がある後頭部じゃなくてよかった。

でも困ったな。
体が疲れ切っていて起き上がれない。

自分の荒い呼吸音だけしか聞こえない中、看護師さんに補助してもらいたくて視線を彷徨わせる。

嘘つけ

何が入り口だ。

どこもかしこも真っ暗じゃないか。

？「いた、源清麿！そんな所に突っ立ってなにしてるの？診察が終わったら速やかに帰るようにと医師が…」

源「水心子？…ああ、時の政府のか。すまないね、侵入者がいたものだから」

水「侵入者？だったらあらーむが鳴るはずだけど…。では時の政府であずかろう。それがそうかな？」

仲間が増えたのかも。
自力で立ちあがろうともがいてみるが、手足が弱々しく動くだけで力が入らない。

詰んでしまった。

水「おい！そこの者…え？なぜ君がここに？」

源「あれ？知り合いなの？」

水「ああ、先週まで入院していたはずだけど」

思い出した。
やけに聞き覚えのあるこの声はあの失礼男のものじゃないか？

名乗っていたはずだ。

水心子って。