237話※ ページ43
小狐丸視点
主様が振り向いた先には初日に挨拶をしたきり、主様には一切姿を見せなかった時雨の姿がありました
血塗れで、切り離された左腕を求める様に右手を伸ばしてピクリとも動かない
既に事切れている様で。
「「やった…」」
「自由だ、自由に、」
人の子が一人、足元で事切れているというのに彼が顕現した刀剣男士達は皆、怯えを滲ませた歪な笑顔を浮かべ中にはそのまま泣き出す者もいる
?「あれまあ、見てしまったかい。」
「あんなに派手な音を立てれば嫌でも見るだろう。主様のお目を汚さぬよう、我等が帰ってから実行するのではなかったのか」
膝丸「聞いていた話と違うぞ」
?「しょうがないだろう?彼とてやるにしても今とは思っていなかっただろうさ。きっと薬の副作用さね」
『…、あ?、なにが』
目の前の現実に思考が追いつかないのか、主様は食い入る様にそのさまを見ていました
ジリリと僅かに後ずさった体を支え、己の腕の中に仕舞い込めば布口面ごしに口をパクパクと動かしているのが窺えて
こうなるのは仕方なかったのだと、全てあの審神者の悪行の所為だと、だから謀反が起きたのだと矢継ぎに伝えてしまいました
膝丸「小狐丸、主を気遣え。血など見慣れていないのだ」
「分かっておるわ!…主様、あの男が何をしていたか貴方が知る必要は無いのです。あの男が事切れた今、この本丸の審神者は佐々木になりました。これが皆にとっての幸せな結末なのです。」
顔を覗き込んで伝えると、目に涙を浮かべた主様がようやく私の顔を見ました。怯えが浮かぶその目がゆらゆらと揺れてさらに後ずさろうとするので肩に回した手にゆっくりと力を込める
そうすれば主様は小さく悲鳴を漏らして俯いてしまわれました
?「我が主、政府からの最初の任務よくぞ遂行できたな。誇らしく思うぞ」
佐々木「越前康継、俺はこれであぐりに会えるんですね、やっと。」
越前康継「ああ、ふふ。そのまま信じていればよいぞ」
腕の中で身じろぎをした主様が何か言いたげに佐々木の方を見ています
伝えてはならぬ事を伝えてしまうべきか迷っているのですよね。
貴方の恋仲のあぐりは史実通り死ぬのでここの審神者を殺しても決して生きて会うことは出来ない、と
騙されているんだ、と
ふと佐々木がこちらを見ました
彼の目はどちらも真っ赤に染まっており、これが越前康継と呼ばれた刀剣男士が言っていた副作用なのだと分かってしまった
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ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - わたしは更新、いつでも待ってます! (2021年5月16日 10時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 名無しさんさん» はい、これからも楽しんで読ませていただきます!!名無しさんは社会人と聞きました。どうか自分のお体をご尊重してください (2021年5月16日 10時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» コメントありがとうございます。嬉しい内容にやると決意できて良かった、また書きたいと思って良かったと思います。私の作品を読んでくれてありがとうございます!これからも楽しんでいただけたらなぁと思います! (2021年5月15日 20時) (レス) id: abe0f1ab0e (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - こんばんわ。この作品が続いてくれると知って、とても嬉しいです!!どうか名無しさんのペースで更新してもらえれば。また続きが読める事に感謝します。ありがとうございます!! (2021年5月14日 21時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございます!好きと言ってもらえるのはとても嬉しいです!絡み前向きに検討させていただきますね! (2021年5月6日 13時) (レス) id: abe0f1ab0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無しさん | 作成日時:2020年1月9日 1時