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231話 ページ37

頭を上げた主に促されて、護衛と近侍を仰せつかった俺と小狐丸が名乗れば、時雨という男は目を細めて頷き後方に座した男を顎で促した


膝行(*)してきた男は端正な顔立ちをしており、直ぐ様姿勢を正すと見事に頭を下げてみせた


?「私はこちらで試験用審神者見習いとしてお世話になっております。審神者名はまだ仮の状態であるので見習い、と呼んで頂ければと。」


『…っ、だんだら』


見習い「?!ご存知で?」



主の小さな呟きを拾った男はあっという間に歓喜を顔中に広げると立ち上がろうとして

それをそばにいた大和守安定に両側から抑え込まれ未遂に終わった


時雨「自己紹介は終わったかな?残念ながら研修期間が重複しているようだけど、すでに審神者業をこなしていると聞くから…この期間中、好きに過ごしてよ。」


『えっと、好きにとは…』


時雨「部屋に籠るもよし、刀剣を観察するもよし、本丸散策もよし、私の作業を見にくるもよし、とにかく自由に過ごしてね。見習いに教えないといけない事は全部履修済みだと思うし。もう一回、なんて効率悪いよね?わかる?」


『はい。ならば、自由に過ごさせていただきます。課題が出ておりますのでそれに関する事があれば聞きに伺わせていただきます。』


時雨「うんうん、それでいいよ。特に近づいて欲しくない場所は無いからさ、蔵でも厨でもどこでもどうぞー。部屋は申し訳ないけど離れだよ。男ばかりの場所に女の子置いとくわけにもいかないしね。」


『…お気遣い、痛み入ります。』


時雨「そんな固くならないで。…案内は見習いがするよ。あっ、世話係とかいる?」



気遣ってくれているようで、隠し切れていない投げやりな態度が声に混じって不快に届く

これからの生活に何かあっては主に迷惑が掛かると必死に殺気を抑え込んで、ゆっくりと立ち上がった時雨を目で追いかけた


部屋を出ていくまで油断するな


ここがブラック本丸だという事実を忘れるな


目を逸らすな


そう、自分に怒鳴りつけながら



とたとたと軽い足音が二つ

近侍も連れずに出て行ったと思えば外で待機していたらしい

ここに居ない刀剣男士は誰だと目線を合わせようとして目の前に広がった光景に絶句した





*膝行…脚を交互に立てて動かし正座したまま進むこと。時代劇で侍が「ちこうよれ」と言われた時に使うような移動の仕方と捉えてください。

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設定タグ:刀剣乱舞 , とうらぶ , ブラック本丸   
作品ジャンル:ファンタジー
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ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - わたしは更新、いつでも待ってます! (2021年5月16日 10時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - 名無しさんさん» はい、これからも楽しんで読ませていただきます!!名無しさんは社会人と聞きました。どうか自分のお体をご尊重してください (2021年5月16日 10時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» コメントありがとうございます。嬉しい内容にやると決意できて良かった、また書きたいと思って良かったと思います。私の作品を読んでくれてありがとうございます!これからも楽しんでいただけたらなぁと思います! (2021年5月15日 20時) (レス) id: abe0f1ab0e (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ(プロフ) - こんばんわ。この作品が続いてくれると知って、とても嬉しいです!!どうか名無しさんのペースで更新してもらえれば。また続きが読める事に感謝します。ありがとうございます!! (2021年5月14日 21時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - 雪さん» コメントありがとうございます!好きと言ってもらえるのはとても嬉しいです!絡み前向きに検討させていただきますね! (2021年5月6日 13時) (レス) id: abe0f1ab0e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名無しさん | 作成日時:2020年1月9日 1時

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