帰ってきたらブラック本丸でした5

226話 ページ32

「あの、そろそろ皆のところに戻りたいんですけど…」

ミサンガショックからなんとか立ち直り、役人さんの顔を伺う。


狙われた訳？とかその時の状況は大体話したしちゃんとメモ取って把握してるっぽいし良くね？と思って聞いてみると、慌てて頷いてくれた。


そばにいる人型のこんのすけと本霊2振り様の様子を見る限り、残りの憑き物が落ちたらしいということは何となく察したし、何より早く帰城して短刀の皆に謝りたい。

それに明後日からの本丸研修の用意も研修最終日の次の日から始まる仕事の準備も本社がある東京研修&入社式の宿泊の用意も何にもしてない。やばい。


加州清光「俺達が送って行くよ。」


「ええ…悪いです悪いです！道なら覚えとるし、部屋も分かるし、迷ったら縁辿り？やっけ？…するからいいですよ！」


加州清光「うろ覚えじゃん」


一期一振「いえ、貴方は一度狙われた身。刀剣男士をまとめる大事な審神者の一人に、何かあってからでは困りますので。」



送りたいというのは私共の我儘です。なんてにっこりされたら断れなかったよな。



床に落ちたミサンガを拾い上げて、じゃあお願いしますって案内してもらう事に。




こういうやり取りがあって両脇を本霊様に固められ、人型に戻ったこんのすけを先頭にして皆が居る部屋に戻る


時折りピクッと動く耳はへちょ…って感じで伏せられてて仕切りに振り返っとるなぁと思ってみてると目が合った瞬間悲鳴を上げて前に向き直るし


尻尾は大きく膨らんで股の間に隠れているしで歩きにくそうやなぁって思いながら凄く傷付いた。辛い。



部屋に戻るまでの間、2振り様は全然喋らんしで沈黙が重すぎて二重に辛い。泣くぞ。



「つ、つきました！」


人型のこんのすけがとある一室の扉をノックして返答を待たずに入って行く。


そのすぐ後に続きながら目に飛び込んできた皆の姿を見てほっと息をついた。



良かった。皆無事だ。傷が治っている。






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