帰ってきたらブラック本丸でした5

209話 ページ15

膝丸「！あれか。」


加州「当時はすごく話題になってたよね」


陸奥守「まっこと痛々しい事故じゃった。よう憶えちゅう。」



後ろを振り向いて陸奥守さんのほうを見れば苦い表情で顔を背けている


蛍丸「……前の審神者、その一件の後から酷くなったよね。」


同田貫「蛍、その話はやめろ。」


空気がピリついて隣に座る小狐からギリッと歯を噛み締める音が聞こえて肩が跳ねた


「あ、あはは、皆様少し落ち着かれては…？よし！では時間も限られておりますので早速、報告会に移らせていただきます。では本丸No.5111、対ブラック本丸試験用審神者No．1110の審神者様、壇上すぐの総合課からの質問にお答えください。続きまして、本丸No．6388、対ブラック本丸試験用審神者No．1129の審神者様、壇上においで下さいませ。続きまして…」


他のこんのすけが何か言う隙も与えないように早口で進行を始めた人型のこんのすけは壇上にどんどん審神者を呼んでいく


皆、呆気に取られているのか周りは静かで耳が拾うのは審神者が歩く足音だけ


下駄と草履が多いのか、擦るような音やカランコロンと軽やかな音がする


でも

でもでも！！！


『あの、壇上に上がるなんて聞いてないんですけど…！』


尼崎「あれ？言ってませんでしたか？」


薬局でよく浮かべていた笑顔で尼崎さんがおどけている。


『いや、いやいや！無理帰りたいよ清光う〜！！』


加州「あ〜あ、役人が泣かしたんだけど〜！」


蛍丸「絶許」


伽羅「おい、抜刀はよせ」



たとえ誰も見てないとしても人前に出ることが嫌いな私にとっては地獄オブ地獄


うわ無理。今すぐ布団に潜り込みたい。


「続きまして、本丸No．8987、対ブラック本丸試験用審神者No．1137の審神者様、壇上においで下さい。続きまして、本丸No．8989、対ブラック本丸試験用審神者No．1010の審神者様、壇上においで下さい。」


『うわ、無理どんどん自分の番号近付いてくるえぐいて…』


「続きまして、本丸No．8991、対ブラック本丸試験用審神者No．1001の審神者様、壇上においで下さい。続きまして…ん？」


『ほーら呼ばれたはい無理んご無理んご』


膝丸「ほら、ぐずっていないで早く行け。」


『ぐ、ぐずってねえし！終わったらお髭にチクるからな、ほ、本気やぞ！』


膝丸「なっ！」


伽羅「ほら、目立つ前に行け。今は顔も隠れているだろう」


『それもそうやん。行くわ』



さっさと帰ってこようと思って早足でステージに向かう

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