37話 ページ38
に「あっ…」
しまったと言いたそうな顔でにっかり様は口を押さえて目線を忙しなく動かしている。
『本日参ったばかりですが、確かあちらは審神者様の部屋だったと』
指差しで上げていた腕を下ろして声を潜めれば石切様が罰が悪そうな顔をして口を開いた
石「ああ、確かにそうだね。普段は中からも外からも音が聞こえないように呪いをかけた上に結界を張っているから聞こえてはいないと思うけど…油断はできないよ。」
に「僕、っとんでもないことを！」
彷徨わせていた視線をやっとこちらに向けたかと思えば見えている片目に涙の膜を張って何かに怯えるように呟いた
その目がまるで琥珀のようだと思いながら、にっかり様がこのような状態なのも恐らくだが審神者によって恐怖を植え付けられているからだろうと悟ってしまった
そのまま動くに動けずに暑さと相まって流れてくる冷や汗と戦いながら三人で固まっていると
パタパタと廊下を歩く音を耳が拾って反射でそちらを向いた
先程まさに話題に上がっていた審神者が書物に目を落しながら歩いている
目が離せないでいると、視線に気づいたのかこちらに顔を向けた
時「おや、こんな所で3人は何を…？」
何がおかしいのか口の端を怪しげに歪めて問うてくる
その姿に僅かな寒気を覚えていると、真っ先に肩を震わせたにっかり様を石切様が背に隠して息を飲む音が聞こえた
石切様の行動に審神者の怪しい笑いが、表情が抜け落ちたような真顔に変わる。
審神者がそのまま体の向きを変えてこちらに来ようとしているのか汚れなど知らぬような真っ白い足袋が一歩前に出た
このままではお二人に危害が加わるかもしれない…
『審神者様！頼まれていた掃除を行なっておりました。先ずは審神者様のお部屋前からと考え、除草作業を。お二人は昼餉にと迎えに来てくださったのです。』
上手く、笑えているだろうか
こちらを見る審神者の顔に微笑が浮かぶ
時「ああ、審神者様なんて堅苦しい。貴方は刀剣男士では無いんだから時雨でいいんですよ。」
『え、いや、しかし』
時「貴方がここに留まるのはたったの2ヶ月なんだから遠慮はしない。…私の部屋の前からとは良い心掛け。早く昼を食べてきなさい。」
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名無しさん(プロフ) - 伏ぺいさん» コメントありがとうございます。コメントの返信が遅れてしまい申し訳ないです。嬉しいお言葉すごくありがたいです！更新できるよう頑張りますので完結まで見ていただけたら嬉しいです！ (2020年5月16日 19時) (
レス) id: 7c9fe9a3cd (このIDを非表示/違反報告)
伏ぺい - 主人公とみんなの会話のドッチボールがとても面白いです！ゆっくりでいいので更新待ってます！ (2020年5月1日 16時) (レス) id: 0c71642d46 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - ゆりさん» コメントありがとうございます。長らく更新できておらず、またコメントの返信も遅くなってしまい申し訳ないです。私生活が少し落ち着いてきましたのでこれから更新していきたいと思います！ (2020年4月10日 13時) (レス) id: 7c9fe9a3cd (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - 面白かったので更新再開を心待ちにしております (2020年3月9日 12時) (レス) id: aea964e9bf (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - 架印�靴気�» コメントありがとうございます！実は私も新撰組が大好きです…！刀剣乱舞ベースですが出来るだけ新撰組を多めに話に絡めていくので今後の登場人物や回想シーンを楽しみにしていただければと思います！ (2019年5月18日 19時) (レス) id: 7c9fe9a3cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無しさん | 作成日時：2019年3月10日 1時
