27話 ページ28
溜息をついた加州さんを横目に捉えながら再び口を開く
『この刀、越前康継は土方副長より預かり受けました。』
鶴「貰ったんじゃないのか？」
『いえいえ！俺の初陣で芹沢局長の命があり頂けただけなので…。きっと本意では無かったはず。大事にされていたので、』
鶴「ほお〜」
永「そいつ、顕現したりはしねぇのか？」
『はあ…。方法も知らないですし、俺は本当の持ち主では無いから…』
刀を鞘に納めるとチンッという耳に聞き慣れた音が手元で鳴った
再び麻袋に包むと、何処からか残念がる様な息を呑む音が聞こえてくる
顔を上げれば俺の手元を凝視している銀髪のまるで女子の様な人形の様な整った顔に痛々しい痣や生傷をこしらえた少年二人が静かに座っていた
『貴方、その怪我は』
あまりにも痛々しいから
刀を腰元に戻しつつ声を掛ければ、帰って来たのは怯えた様な視線
それを庇うように前に躍り出たのは見たこともない鮮やかな空色の髪の青年が二人
片方は同じ様に見えている肌に生傷、片方はその髪が乱雑に切られている
？「この子達の事はお気になさらず」
？「貴方は自分の仕事に集中して頂きますよう。」
そう言い放つ声音は冷たいがその目にはやはり怯えが滲む
少し冷静になって部屋にいる付喪神を見渡すと皆、同じ様に傷を負っている
それは擦り傷から刀傷の様な痛々しいものまで様々だ。
唯一、鶴丸国永や加州さんだけは無傷だったが…
『皆様、その傷は…』
こ「全て此処の審神者が付けたものですよ。
お気に入りの刀剣男士には傷が付けば直ぐに手入れし側に置きたがる。
そうでない者には出陣で傷を負っても手入れしないどころか、気に入らなければ呪言を使い、その体を痛め付ける。」
『残酷な…』
こ「更に変わった思考やこだわりがあるから、同じ刀剣男士が二振り揃わなければ気がすまない。強さまで同じにしたがる。」
清「その通り。だから新しい仲間が増えるのは嬉しいけど、二振り目を見つけるまで何度も出陣をさせられる。」
『鍛刀するのでは無いのですか？』
清「その鍛刀に必要な資材を稼ぐ為に過度な出陣をさせられるの。この本丸の資材は常にかつかつだからさ。」
全てを諦めた様な顔で言った加州さんに胸が痛んだ
政府から頼まれたと言え、これはなんとか解決せねばならないだろう
それを出来るのは、今は俺しかいない。
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名無しさん(プロフ) - 伏ぺいさん» コメントありがとうございます。コメントの返信が遅れてしまい申し訳ないです。嬉しいお言葉すごくありがたいです！更新できるよう頑張りますので完結まで見ていただけたら嬉しいです！ (2020年5月16日 19時) (
レス) id: 7c9fe9a3cd (このIDを非表示/違反報告)
伏ぺい - 主人公とみんなの会話のドッチボールがとても面白いです！ゆっくりでいいので更新待ってます！ (2020年5月1日 16時) (レス) id: 0c71642d46 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - ゆりさん» コメントありがとうございます。長らく更新できておらず、またコメントの返信も遅くなってしまい申し訳ないです。私生活が少し落ち着いてきましたのでこれから更新していきたいと思います！ (2020年4月10日 13時) (レス) id: 7c9fe9a3cd (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - 面白かったので更新再開を心待ちにしております (2020年3月9日 12時) (レス) id: aea964e9bf (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - 架印�靴気�» コメントありがとうございます！実は私も新撰組が大好きです…！刀剣乱舞ベースですが出来るだけ新撰組を多めに話に絡めていくので今後の登場人物や回想シーンを楽しみにしていただければと思います！ (2019年5月18日 19時) (レス) id: 7c9fe9a3cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無しさん | 作成日時：2019年3月10日 1時
