14話 ページ15
「では、佐々木愛次郎様。こちらにお着替えください。これは返しておきますね。」
くるりと振り返った男に手渡されたのは一式の和服と越前康継
手に取るとなぜか安心した
『…越前康継は、土方副長に返さなければ、』
「いえ、その必要はございません。」
『何故か？』
「…まあ、今はとにかく着替えて下さいね。脱いだ服はそのままでいいですから。」
押し込められる形で部屋に入ると、先ほどまでいた部屋とあまり変わらない四方が真っ白な壁と隅の方に竹籠が一つ
このまま立ち尽くすわけにもいかないので一旦籠のある箇所まで近寄ると、その脇に越前康継を置いて衣服を着替えた
屯所でもよく好んで着ていた袴に、新撰組だと一目でわかる浅葱色の羽織
最後に腰に越前康継を携えると脱いだ衣服を畳んでから部屋を出た
「ああ、やはりあなた方はその羽織がよく似合う」
『？ありがとう。』
何故か感心したように爪先から頭の方までじろじろと観察すると
満足したのか付いて来いと歩き始めた
そして通された部屋の中で珍妙なカラクリを弄る人の側で説明を受けた
俺が生きた時代より遥かに先の此処では刀に宿った付喪神を顕現させ
歴史を変えようと目論む歴史修正主義者との戦いが頻発しているらしい
その付喪神をまとめるのが審神者という仕事。
しかし、何を勘違いしたのか間違った方法で支配し、暴力や夜伽で刀を穢す審神者が現れていること。
『にわかに信じ難いが、内容は分かった…。しかし何故その話を俺にする？』
「貴方には、任務があります。」
『任務？…どのような。』
「所詮ブラック本丸と言われる本丸に見習いとして潜入していただき、審神者の暗殺をお願いしたい。」
『暗、殺』
「これ以上被害が及ぶ前に、貴方のその剣の腕と土方歳三から与えられた越前康継を存分に振るって。
…どうか刀剣男士達を助けていただきたい。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 147人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名無しさん(プロフ) - 伏ぺいさん» コメントありがとうございます。コメントの返信が遅れてしまい申し訳ないです。嬉しいお言葉すごくありがたいです！更新できるよう頑張りますので完結まで見ていただけたら嬉しいです！ (2020年5月16日 19時) (
レス) id: 7c9fe9a3cd (このIDを非表示/違反報告)
伏ぺい - 主人公とみんなの会話のドッチボールがとても面白いです！ゆっくりでいいので更新待ってます！ (2020年5月1日 16時) (レス) id: 0c71642d46 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - ゆりさん» コメントありがとうございます。長らく更新できておらず、またコメントの返信も遅くなってしまい申し訳ないです。私生活が少し落ち着いてきましたのでこれから更新していきたいと思います！ (2020年4月10日 13時) (レス) id: 7c9fe9a3cd (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - 面白かったので更新再開を心待ちにしております (2020年3月9日 12時) (レス) id: aea964e9bf (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - 架印�靴気�» コメントありがとうございます！実は私も新撰組が大好きです…！刀剣乱舞ベースですが出来るだけ新撰組を多めに話に絡めていくので今後の登場人物や回想シーンを楽しみにしていただければと思います！ (2019年5月18日 19時) (レス) id: 7c9fe9a3cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：名無しさん | 作成日時：2019年3月10日 1時
