90話※ ページ42
加「お、おかえり！」
安「帰省、お疲れ様！」
そんな長谷部さんの姿を隠すように目の前に飛び出してきた2人は焦ったようにそう言った
『皆で集まってなにしとったん…？』
加「いやっ、寂しいから何となく！」
安「そうそう！」
『賛成派は分かるけど、反対派も？』
安「えっと…」
歯切れの悪い返事に口が曲がる
何を隠しとるの…？
上座付近にある大きい布の前には反対派の皆さんで隠れとるけどプロジェクターが乗った机がチラチラ見えとるし
長谷部さんが持っとるパソコンには接続するための線が刺さっている
『何を見とったん？』
宗「あ、貴方には、関係ないこと。」
膝「どうか忘れてくれ」
『は？』
あの冷静な宗三さんの口調が乱れて、膝丸さんは目を逸らしたまま私にそういう
気分が悪くなって思わず低い声が漏れた
髭「あ〜あ。まあ、取り敢えず薬研君はいるかな？」
薬「ここだぜ。」
不機嫌になった私の隣で髭切さんが薬研さんを手招きする
反対派から出てきた薬研さんは私を一瞥すると髭切さんに向き直った
薬「何かあったか？」
髭「この子の手当て、してくれないかな？」
薬「ん？手当て？どこに傷が、っ！」
髭「ありゃ〜、これは酷いね…」
よく見せるためか掴まれた手を不意に挙げられて、それを見た薬研さんの反応が変わる
そんな薬研さんを見ていた広間にいる皆が息を飲むのが分かった
薬「審神者、この傷何をしたんだ…」
髭「見てなかったの？」
膝「兄者が出た後、すぐに消したんだ」
加「ちょっと2人とも！！」
見たとか見てないとか何の話？
消したって何を？
『何の話しとるん？見たって…』
薬「そんな事は後回しでいい！取り敢えず手当てだ、そこに座ってくれや」
髭切さんに引かれて座布団の上に座ると向けられた自分の手の甲を見て一瞬息をするのを忘れた
確かに破った写真とガラスにグーパンしたけど、こんなのすぐ気付かん程ボケとったかなって
思わず思うくらい
割れたガラスが無数に刺さった手の甲や指先
そこから血が溢れたのかどす黒い赤がカピカピに乾いている
薬研さんがピンセットで刺さっている中でも一番大きいカケラを抜くと
肉に埋まっていたガラスの全体がわかった
飛び出ていた長さと合わせると約2センチ
ガラスが抜かれてぱっくりと割れた皮膚の隙間からはピンク色の肉、その奥にはやたら白く見える骨
でも見えたのは一瞬
すぐに溢れてきた赤黒い血で全てが埋め尽くされた
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名無し - 細かく表現されていて読んだときにヒヤヒヤしました。 (2022年3月8日 23時) (
レス) @page5 id: 3da9111bbc (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - …さん» コメントありがとうございます！面白いと感じていただけて嬉しいです！今後もよろしくお願い致します。 (2019年1月23日 11時) (レス) id: 7c9fe9a3cd (このIDを非表示/違反報告)
… - 物凄い面白い話だと思い、すぐ読みきってしまいました！ (2019年1月22日 16時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - 刀剣乱舞初心者ですさん» コメントありがとうございます！好きになっていただけて嬉しいです…！ (2019年1月17日 10時) (レス) id: 7c9fe9a3cd (このIDを非表示/違反報告)
刀剣乱舞初心者です - この作品とても好きです！お体に気をつけながら更新頑張ってください！ (2019年1月16日 19時) (レス) id: c2cb9b617d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無しさん | 作成日時：2019年1月7日 14時
