94話 ページ16
隣にいてくれた王子の温もりがなくなって寂しさを覚えながら受けた1限の後。
重い足を無理やり動かしてむかうのは2限が行われる405教室。
授業があった私はこのコマを取る人達の中でも遅めに教室に入る。
目立たないように後ろの扉から音を忍ばせて中に入り、いつものように足早に定位置に向かった。
全部の教科書が入ってる割には重くないカバンを椅子において、私が陣取ったのは窓際の真ん中より少し前の席。
基本自由席の大学では後ろの方の席はやっぱり大人気。
窓際や廊下側は毎回場所取り合戦が行われてる。
それもそうよね。
先生の視線はどうしても前の席に集中しやすい。
前の席より後ろの方の席のほうが自由にできるもの。
いちいち前の方に座る人なんていない。
だからこの席は意外と穴場だったりする。
程よく前すぎず、かと言って後ろすぎず。
日向ぼっこはできるし、空は眺められるし。
まあ、そのくらいだけど。
そんなわけで今日も窓際を確保できた私。
携帯で時間を確認しながら教材を広げて授業の始まりを待った。
丁度太陽の日差しが程よく入ってきて、冷えていた体を温め始める。
朝が早い。
暖かい日差し。
睡眠欲は最高潮。
そんな理由もあって授業も始まってないのに眠気が一気に襲いかかってきた。
授業が始まるまであと10分くらい。
少しだけ寝ようかな？
そう思い机の上に伏ようとマフラーを枕代わりに使おうとした途端、教室の外から賑やかな声が聞こえてきた。
その中に聞き覚えのある男の人と、これまた聞き覚えのある複数の女の人の声が聞こえてきて無意識に表情を歪める。
教室の前の扉が開いて、聞こえやすくなったその声は誰とも話していない私の耳によく届いた。
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マナミ(プロフ) - 面白いです！主人公が灰二さんにベッタリとか好き！ユキ君達との仲の良さ、王子も相談に乗ったりで素敵！灰二さん、主人公の気持ちに…困ってる不安も気づくべき！ユキ君達も主人公に惹かれt((更新頑張って下さいね！無理はしないで下さいね… (2020年7月31日 2時) (
レス) id: f5569c460a (このIDを非表示/違反報告)
采音(プロフ) - 続き気になります！ゆっくり更新していただけたらいいなぁって思っています！ (2020年6月28日 7時) (レス) id: 93bfdfd3ea (このIDを非表示/違反報告)
りんね - とっても面白いです！ (2020年3月18日 16時) (レス) id: 48ddc9040e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍緒(アオ)
| 作成日時：2019年9月26日 0時
