91話 ページ13
予餞会の前日でも、学生の私達は普通に学校がある。
ユキ君とか数人は1限は休コマだ！
って言ってまだ竹青荘にいるけど、私は1限から授業だから行かなきゃいけない。
4年生も終わりまで半分切った時期。
1限から授業入れる人なんて殆ど居ないけれど、私が受けたかった授業は今日の1限からしかない。
1年生から3年生の約3年。
授業の組み分けを間違えてしまった私を恨む。
4年生でこの時間から学校行くなんて人はあまりいないものね。
その授業でも、4年生は5人いるかどうか。
他は全員下級生。
『んん…いくか…』
まだ少し早いかな？と思いつつもタンスから引っ張りだしたコートを羽織って外に出る。
欠伸をしながら学校までの道を歩いていると後ろから足音が聞こえてきた。
気になって音の聞こえてくる方向に振り向くと重そうな荷物を抱えた王子が走ってくる。
珍しいこんな時間に…
いつもなら漫画読みあさってる時間なのに。
そんなことを思いながら王子を見ていると、私の隣まで走ってきた。
『あれ…どうしたの王子。
この時間に出てくるなんて、何かあるの？』
「ちが…違います…」
肩で息をして呼吸を整えてる王子に尋ねてみると、即答で違うと言われてしまう。
じゃあなんで？
そう無言で視線を投げると王子は気まずそうに視線を逸らした。
それでなんとなく察してしまい、私も思わず口を閉ざす。
「その…昨日のことで。」
『…うん。』
「あの場であのようなことを言ってしまい本当にすみませんでした！」
『…大丈夫だよ。
私達が付き合ってるって誤解もとけたし。』
王子は勢い良く頭を深く下げた。
本当に、気にしなくてもいいのに。
だから、大丈夫と言ったのに王子は苦しそうな表情をして大きく首を振った。
「違います。」
「あーちゃん先輩は灰二さんのこと好きでしょう？」
灰二さんのこと好きでしょう
さっきまで雀が鳴いていたはずなのに急に静かになってその言葉が鮮明に聞こえた。
見たこともないような真剣な表情を浮かべる王子は、引き込まれるような綺麗な瞳で私逃すまいとしっかり捉えている。
何もかも見透かしたような大きな目。
私は何も言うことができず、耐え切れなくなり視線を逸らした。
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マナミ(プロフ) - 面白いです！主人公が灰二さんにベッタリとか好き！ユキ君達との仲の良さ、王子も相談に乗ったりで素敵！灰二さん、主人公の気持ちに…困ってる不安も気づくべき！ユキ君達も主人公に惹かれt((更新頑張って下さいね！無理はしないで下さいね… (2020年7月31日 2時) (
レス) id: f5569c460a (このIDを非表示/違反報告)
采音(プロフ) - 続き気になります！ゆっくり更新していただけたらいいなぁって思っています！ (2020年6月28日 7時) (レス) id: 93bfdfd3ea (このIDを非表示/違反報告)
りんね - とっても面白いです！ (2020年3月18日 16時) (レス) id: 48ddc9040e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍緒(アオ)
| 作成日時：2019年9月26日 0時
