89話 ページ11
寝て起きれば嫌でも朝が来る。
雑魚寝していた皆をおいて1人自分の部屋に戻った私は、いつものように日が昇る前に目を覚ました。
起きろ起きろと騒ぐ携帯のアラームを止めて背中を起こす。
…こんなに憂鬱な朝は久しぶり。
大学に入学したてのあの頃を思い出す。
あの頃は毎日こんな感じで、朝が来るのが憂鬱だったっけ。
朝がきて、顔を合わせて挨拶をして。
学校にいけば赤の他人のような関係に様変わり。
懐かしいな。
そう思う気持ちと共に胸を傷ませる。
『…と。
洗濯物しなきゃ。』
私なんかが感傷に浸ってる暇はない。
洗濯物を干すのは私の仕事。
唐突に思い立った私は重い腰を上げて、布団から出ると部屋のカーテンをあけた。
窓を少しだけ開けるときに、窓の端に結露ができているのを見つける。
冬に近づいてきたこの季節。
もうこの時間は長袖の上にパーカーとかを羽織っていないと身震いするくらい寒くなってきた。
湿っている洗濯物を干すのも苦痛になりはじめてくる時期。
床に落ちていたパーカーを羽織り、部屋を出た私は洗濯物を干す前に双子の部屋にこっそりと寄った。
昨日の夜、「あっつい！」とか言いながら色んな人が脱ぎ散らかした洋服を静かに回収して抱きかかえる。
…寝る前に他の部屋から掛け布団を持ってきておいて正解だった。
こんな寒さの中上半身裸で寝てたら予餞会前なのに体調を崩しちゃう。
…なんて、私は心配してるのに呑気にいびきかいて気持ちよさそうに寝てるくらいなら心配ないか。
部屋の隅から隅まで散らばっている服を回収しきって部屋から出る。
洗面所に向かって、私が起きる時間に洗い終わるよう設定していた洗濯機から洗濯物を取り出した。
まだ湿ってる洗濯物を取り出すのは、少しだけ苦痛。
すぐに冷たくなる指先を擦りながらカゴに入れていった。
全部出し終わったあと、さっき回収してきた服をいれる。
カゴいっぱいに盛られた洗濯物を持ち、外にある物干し竿まで運んでいった。
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マナミ(プロフ) - 面白いです！主人公が灰二さんにベッタリとか好き！ユキ君達との仲の良さ、王子も相談に乗ったりで素敵！灰二さん、主人公の気持ちに…困ってる不安も気づくべき！ユキ君達も主人公に惹かれt((更新頑張って下さいね！無理はしないで下さいね… (2020年7月31日 2時) (
レス) id: f5569c460a (このIDを非表示/違反報告)
采音(プロフ) - 続き気になります！ゆっくり更新していただけたらいいなぁって思っています！ (2020年6月28日 7時) (レス) id: 93bfdfd3ea (このIDを非表示/違反報告)
りんね - とっても面白いです！ (2020年3月18日 16時) (レス) id: 48ddc9040e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍緒(アオ)
| 作成日時：2019年9月26日 0時
