240話（no side） ページ42
開始からずっと最善を尽くしてきた赤羽。
こうなるように策は積むだけ積んだ。
唯一、気がかりなのは未だに秋野Aと潮田渚の姿を見ないことだ。
頭の回転が早く戦況を読み取る力も十分にある秋野なら、少し高くて周囲を見渡せる場所にいると思ったけど、見当たらない。
自陣の旗の近くにいるのかと探したけれど、今旗を守る青チームの戦闘員は誰も居ない。
それならば磯貝が率いる小隊の中にいるのかと問われれば、そこに居るわけでもない。
スピードが速いから小回りもきくし、それに加えてパワーもあるから早めにやっておきたかったんだけど。
流石学年2位。
赤羽が狙っている事を予期して未だにどこかに隠れている。
それに潮田も、どこに潜んでいるか全く分からなかった。
背が低いから、見つけにくいのかもしれない。
でも、なんだかそれだけではない気がする。
潮田は意識の死角を突いてくるから早いうちに倒しておきたかった。
…なんだか妙な胸騒ぎがする。
こういう時の赤羽の勘は嫌なくらい当たってしまうのだ。
けれど、そうならないようにいつも策を練り、乗り越えてきた。
脳裏によぎる最悪のシナリオを消し去り、また思考を巡らせる。
磯貝達は上手く行けば全滅。
突破されても、青チームは多くても1人しか残らない筈。
左方向、しかも割と旗に近い場所に待機させているあの4人がその隙に旗を奪えばこっちの勝ちだ。
途中で潮田や秋野に出食わしても、数で押し切れる。
このままいけば、俺達の勝ちだ。
上手く行かなかった場合の選択肢を考察しながら赤羽は戦場の左方向に目を向ける。
一瞬の大激戦の末、青チームが1人の差で速水と堀部イトナを突破した。
その数秒前。
赤羽は1つの光景を目撃していた。
ガラ空きになった青チームの旗に駆けていく吉田、寺坂、村松、そして中村莉桜。
あらゆる戦略。
あらゆる攻撃。
あらゆる防御。
それら全てを嘲笑うように…
迷彩を纏った死神が、中村を除いた3人を闇に葬り去った瞬間を。
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kiri(プロフ) - この作品が大好きです。ゆっくりで、時間のある時でかまいません。出来る限り続けていってほしいです。 (2019年3月28日 18時) (
レス) id: 0dfe216fbd (このIDを非表示/違反報告)
西野カナ大好き!結婚おめでとう! - すごく面白いです!これからも自分のペースで頑張ってください!応援しています！ (2019年3月27日 11時) (レス) id: 636dc1adae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍緒(アオ)
| 作成日時：2019年2月5日 1時
