231話 ページ33
カルマという男とは。
喧嘩はするし、授業はすぐにさぼるし。
校長室の物を壊したこともあったっけ。
でも、そんな一面に反して
やさしいところ
気を使ってくれるところ
かっこいいところ
私とは違って感情に囚われずに、理論的な考えで行動するところ。
あげたらきりがないくらいに良いところは沢山ある。
大好き。
そして同時に、人として尊敬していた。
「まぁ、別にいいけどね。
自分の考えだから、彼氏の俺がとやかく言う必要はないからね。」
そんなカルマに冷たい目で見られることが怖い。
考えれば考えるほど体の震えが大きくなりそうになる。
黙ってしまった私にカルマは特に何も言わず、視線を逸らして渚に向けた。
少しだけ震えるこの体を多分今は誰も見ていない。
耐えろ、耐えろ。
耐えろ私。
そんな私の心境を知っているのか知らないのかはわからない。
多分今のカルマは私なんかに興味は無い。
渚を見下しているその姿はまるで、昔のあの頃のカルマそのもの。
ポケットに手を突っ込み、渚を睨みつけるカルマは言葉を続けた。
「才能ある奴ってさ、何でも自分の思い通りになるって勘違いするよね。
ねぇ、渚君。
ずいぶん調子に乗ってない？」
「え…？」
「E組で一番暗殺力があるの渚君だよ？
その自分が暗殺やめようとか言い出すの？
才能がないなりに必死に殺そうと頑張ってきた奴等の事も考えずに。」
そういって後ろでこのやり取りを眺めている反対派の人達に目を向けた。
狙撃が得意な人。
剣術が得意な人。
中にはどちらにもあてはまらない人だっている。
「そ、そんなつもりじゃ…
第一、暗殺力なら僕なんかよりカルマ君の方がずっと…」
「そういうこと言うからなおさらイラつくんだよ。
実は自分が一番…
力が弱い人間の感情理解してないんじゃないの？」
「違うよ！
そーいうんじゃなくてもっと正直な気持ち！
カルマ君は殺せんせーのこと嫌いなの？
映画一緒に見に行ったり…
色々楽しかったじゃん！」
「だぁから！
そのタコが頑張って…
渚君みたいなヘタレ出さないために楽しい教室にしてきたんだろ！
殺意が鈍ったらこの教室成り立たないからさぁ！
その努力もわかんねーのかよ！
体だけじゃなくて頭まで小学生か!?」
止まらない言葉の投げ合い。
二人の間に飛び散る火花は激しさを増した。
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kiri(プロフ) - この作品が大好きです。ゆっくりで、時間のある時でかまいません。出来る限り続けていってほしいです。 (2019年3月28日 18時) (
レス) id: 0dfe216fbd (このIDを非表示/違反報告)
西野カナ大好き!結婚おめでとう! - すごく面白いです!これからも自分のペースで頑張ってください!応援しています！ (2019年3月27日 11時) (レス) id: 636dc1adae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍緒(アオ)
| 作成日時：2019年2月5日 1時
