229話 ページ31
「殺せんせーの命を…
助ける方法を、探したいんだ。」
そう渚が私達E組に提案したのは、3学期初日の放課後のこと。
その日は朝から憂鬱だった。
元気のない挨拶を交わし、ぼうっとしながらカルマと登校。
コンビニで毎日恒例の煮オレと、ちょっとした朝ごはんを購入して山を登る。
学校に到着して、扉を開ければそこにはいつもと同じテンションで挨拶してくる殺せんせー。
それに反してシン…とした静まり返り暗い表情を浮かべている皆。
おはよう、だれかが呟いた言葉も殺せんせーの声でかき消される。
授業の内容も右から左に抜けていき、どこか居心地の悪い空気が漂う１日を過ごした。
そんなときにまさか、いつもは傍観している渚がそんな提案をしてくるとは思ってもいなかった。
「勿論アテは無いけど…
あの過去を聞いちゃったらもう今までと同じ
皆もそうなんじゃないかな。」
そう言って、今までメモにとっていた殺せんせーの弱点を眺める。
確かに、3月に地球を爆発するのも先生本人の意志じゃない。
私達と同じように失敗して、悔いて、生まれ変わって私達の先生になることを選んでくれて。
色んな事を教えてくれて。
つまらなかった毎日に虹色の色がついたのは殺せんせーのおかげ。
殺したくない。
助けたい。
そう、思うのも自然。
『うん、いいんじゃない？
頑張るだけ頑張ってみよう。』
「Aちゃん…！」
「わ、私も賛成！」
渚の声掛けに賛成の声を上げる人も多かった。
杉野は真っ先に肩を組んで名乗りを上げて、後から続いて有希とか愛ちゃんも手を上げる。
緊張していた空気が一気に和やかになった。
無くなっていた笑顔が戻り、早速考えようと盛り上がる。
けれどその雰囲気も束の間。
渚が"殺せんせーを助けたい"と考える一方、真反対の意見を考える人だって勿論いる。
「こんな空気の中言うのはなんだけど…
私は反対。
そう先生は言った。
この一年で築いてきた絆…
私も本当に大切に感じてる。
…だからこそ、殺さなくちゃいけないと思う。」
腕を組んで少しだけ眉を顰めながら言う莉桜。
その側に寺坂を始めとした数人が囲うように集まった。
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kiri(プロフ) - この作品が大好きです。ゆっくりで、時間のある時でかまいません。出来る限り続けていってほしいです。 (2019年3月28日 18時) (
レス) id: 0dfe216fbd (このIDを非表示/違反報告)
西野カナ大好き!結婚おめでとう! - すごく面白いです!これからも自分のペースで頑張ってください!応援しています！ (2019年3月27日 11時) (レス) id: 636dc1adae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍緒(アオ)
| 作成日時：2019年2月5日 1時
