214話 ページ16
カエデは今まで殺せんせーを狙ってきた殺し屋を含めた中で一番強かった。
炎を纏った触手。
迷いのない攻撃。
殺せんせーを倒すという強い意思。
スピードも速くて私達なんかじゃ目で追えない程の速度が出ていた。
この1年で烏間先生に散々鍛えられたから機敏性や瞬発力も増してると思う。
「…きゃはッ、千切っちゃった。
ビチビチ動いてる♡」
殺せんせーの触手を千切って恍惚な表情をカエデは浮かべた。
それを投げ捨て地を蹴るとまた殺せんせーにぶつかっていく。
目は虚ろでどこを見ているかわからない。
ただひたすら、殺せんせーに向かって攻撃を仕掛けていくだけ。
そんなカエデの様子をイトナは顔を顰めながら分析した。
わずか10数秒の全開戦闘。
もう精神は触手に侵蝕されて根付き始めてるらしい。
触手の宿主への負担は恐ろしく大きい。
触手を持っていたイトナの状態を思い出せばその恐ろしさも想像できる。
「もう頭が痛くないの！
痛いのが気持ちイイの！」
カエデは狂ったように声を上げながら攻撃を繰り返した。
虚ろだった瞳もいつしか怒りと憎しみの意思を宿すようになりそれにつれて触手の攻撃も勢いが増していく。
イトナはそんなカエデを見つめながら呟いた。
あそこまで侵蝕されたらもう手遅れだ。
復讐を遂げようが遂げまいが戦いが終われば数分後に待っているのは…死。
「ホラ！
死んで殺せんせー！」
「死んで！死んで！」
「死んで死んで死んで死んで死んで！」
「…死んで！」
止まらない猛攻。
防戦一方の殺せんせー。
何もできない私達。
素行不良。
喧嘩ばかりしてる。
そんな噂しかたっていない私にもカエデは気さくに話しかけてきてくれた。
困っている時は助けてくれたし楽しい時は一緒に笑いあった。
周りによく気を配ってくれる優しい友達。
…全部嘘だったなんて言わせないよ。
このままカエデを死なせるなんてこと、絶対にしない。
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kiri(プロフ) - この作品が大好きです。ゆっくりで、時間のある時でかまいません。出来る限り続けていってほしいです。 (2019年3月28日 18時) (
レス) id: 0dfe216fbd (このIDを非表示/違反報告)
西野カナ大好き!結婚おめでとう! - すごく面白いです!これからも自分のペースで頑張ってください!応援しています！ (2019年3月27日 11時) (レス) id: 636dc1adae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍緒(アオ)
| 作成日時：2019年2月5日 1時
