第四百八十一話 ページ2
箱の中に沢山の花を敷き詰める。
そこに優しくエルを寝かせて頬をなでた。
完全に冷たくなってしまった身体。
今後、その身体から温もりを感じることはない。
最後にもう一度頬を撫でて私は立ち上がった。
後ろに立っているライトの肩に手を乗せて『ごめんね』と伝えてその場から少し離れる。
別れを伝えたいのは私だけじゃないから。
真っ先にエルに駆け寄ったのはライトだった。
しゃがんでエルの顔を優しく撫でると涙を流す。
ミーナはそんなライトの肩を抱いて静かに涙を溢した。
他の部下もエルに近づいて各々別れの言葉を言う。
償えきれない罪。
こんなにも優秀で信頼されている部下を殺してしまったことは一生許されないだろう。
人殺しという鎖が私の身体を縛り付ける。
それはきっと私に架せられた罰。
皆を見ていたくなくて目を閉じているとライトが近づいてくる気配に気づいた。
そっと目を開き、目の前に歩いてきたライトと視線を交わす。
「挨拶は済ませました。
寝かせてあげてください。」
『…わかった。』
エルの眠る箱の蓋を静かに閉める。
開かないように厳重に。
何人かで力を合わせて持ち、掘った穴の中に箱を静かに置いた。
穴から出ると近くにあるシャベルで土をかけていく。
少しずつ見えなくなっていく箱の表面。
それは永遠の別れがすぐそこにあるのだと言っているようだった。
もう会えないのは嫌だ。
また笑い合いたい。
一緒に仕事をしたい。
今では怒られたこともいい思い出。
…自分で殺したくせにね。
何言っているんだと自嘲する。
暫くすると土は箱を完全に覆い見えなくなった。
今はエルの眠る土と周りの土の色は違うけれどそれも時間が経てばわからなくなってしまうだろう。
人の死を見送るのは2回目。
あれ…？
あと1回は、誰だっけ？
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カケ - 四百九六になっています (1月24日 11時) (
レス) @page21 id: 703764d97a (このIDを非表示/違反報告)
和奏.*(プロフ) - もしも、の話で萌えて悶えました(実話)サボがイケメン過ぎてもうっ…！(これからも読者でいます！(( (2018年11月12日 17時) (レス) id: 43c37d5e6d (このIDを非表示/違反報告)
メグミ - テストお疲れ様でした！これからも頑張ってください！！ (2018年7月27日 11時) (レス) id: 0ece7d892b (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆく - 小説、とっても面白かったです！テスト頑張ってください！「実は私もテストがあって((ﾎﾞｿｯ」 (2018年6月14日 21時) (レス) id: fb4853b1ec (このIDを非表示/違反報告)
藍緒(アオ)(プロフ) - メグミさん» コメントありがとうごさいます毎日テストに追われて更新できず…楽しみにしていただけてとても嬉しいです！頑張ります！ありがとうございます！ (2018年6月11日 18時) (レス) id: dccc59a57c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍緒(アオ)
| 作成日時：2018年4月28日 12時
