141話 ページ22
こんな状況でもカルマは落ち着いていた。
カルマは口を封じていた私の手を軽く払うとそのまま私の頭を優しく撫でる。
少し上目遣い気味でカルマの顔を見た私はその表情を見た途端に心臓が高鳴った。
優しい、優しい目。
まるで安心しろとでも言うように。
散々私の頭を撫でまくって満足したカルマは私のオデコに口づけを落として敵に向かって歩いて行った。
火照る頬を両手で隠しながら私はカルマを見守る。
ボスに連絡をしようと取り出した男の携帯めがけて拾った植木鉢を振るった。
ビキッ…
ヒビが入った窓ガラス。
無残にも粉々になった携帯。
辺りがしん…と静まり返る。
「ねぇおじさんぬ。
意外とプロってフツーなんだね。
ガラスとか頭蓋骨なら俺でも割れるよ。
…ていうか、速攻仲間呼んじゃうあたり中坊とタイマンはるのも怖い人？」
「！」
「よせ！無謀だ…！」
カルマのいつも通りの挑発。
カルマを止めようと足を踏み出した烏間先生の歩みを私は制した。
『烏間先生、よく見て。
今のカルマはアゴ、引いてるでしょ？』
「…!?」
今までのカルマなら余裕だというようにひけらかしてアゴを突き出し、相手を見下す構えをしていた。
けれど、今は違う。
…口はいつも通りの悪さだけど。
目は真っ直ぐ油断なく相手の姿を捉え正面から観察している。
テストの時に私がカルマに言った言葉はちゃんと響いていた。
…テスト以降、密かに努力してるカルマに気づかないふりしていたのは内緒。
カルマの挑発が相当頭にきたのか男は怒りを露わにし着ていた上着を脱いだ。
今のカルマが前とは違うと言えど、相手は大人。
武器は頸椎や頭蓋骨を握り潰すこともできる己の素手。
一度でも捕まったらゲームオーバー。
カルマには圧倒的に不利な無理ゲー。
でも。私はカルマを信じてる。
こんな無理ゲー、立場が逆なだけでいつも教室でやってるから。
それに私の彼氏だ。
やる時はやってくれる。
1度目を閉じ、開いて2人を見る。
先に動いたのは男だった。
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藍緒(アオ)(プロフ) - 誤字がひどいですね…そのうち直します。報告ありがとうございます＼(^_^)(^_^)／ (2021年9月1日 14時) (
レス) id: d14d7c56b7 (このIDを非表示/違反報告)
迷い猫 - w (2021年8月26日 16時) (レス) id: 0f483562a2 (このIDを非表示/違反報告)
チア(プロフ) - 嬉しくないの？w (2020年5月14日 16時) (レス) id: 7dc97cfdeb (このIDを非表示/違反報告)
月読(プロフ) - 「彼女からのプレゼントなんて、貰って嬉しくないだろ？」になってます…笑 (2018年6月25日 18時) (レス) id: 720095c5ce (このIDを非表示/違反報告)
藍緒(アオ)(プロフ) - スノーホワイトさん» コメントありがとうございます。光栄です(*´∇｀)。そうなんですね！？検索させていただきたいと思います！お互いに頑張りましょう！(*´∇｀) (2018年5月28日 19時) (レス) id: 7a8e9f5abe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍緒(アオ)
| 作成日時：2018年3月24日 9時
