50話 ページ11
なんでAが?と言いたげな皆の視線が痛い。
私は仙石さんを多々良君達に声が聞こえないくらいの所に引っ張ってくる。
『ちょっと、何考えてんのあんたは!?』
「だってしょーがねーだろ…
賀寿と雫に組んでほしくねぇしなぁ。
多々良達も可哀想だろ。」
『そうだけど…私の事考えてる!?
雫達には私がダンスやってるって事言ってないの知ってるよね!?』
ずっと隠してきたのに。
言わないでおいたのに。
仙石さんによってその秘密はあっさりバラされそうになる。
もうほぼバラされたも同然なんだけど。
どうしよう、どうしようと慌てふためいてる私に仙石さんは「なぁ…」と声を掛けてくる。
「Aはなんで
『なんでって…そりゃ…
…あれ、なんでだっけ…?』
「やっぱり覚えてないか。
…昔のお前は
"ダンスやってる事知られるのが恥ずかしいからマスクつける!"
って言ってマスクつけて大会出てたんだろ。」
『そう…だっけ…』
仙石さんに言われてなんとなく昔の記憶が蘇ってくる。
あれは確か物心がつき始めた頃。
周りの子は皆"水泳"とか"ピアノ"とかよく聞く習い事をやっているのに、私は同い年の子は殆ど知らないであろう"競技ダンス"。
習い事の話をする時は毎回皆と馴染めず1人になっていた。
競技ダンスの事をバカにされた事もある。
幼いながらその事にコンプレックスを感じていたらしい私はある大会の前に両親に訴えた。
"競技ダンスをやっている事が友達に知られるのが恥ずかしい。
顔を隠して大会に出たい"
そう訴えてきた私に両親も最初は困ってたみたいだけど最終的にはOKを出して私にヴェネチアマスクを与えてくれたんだ。
そうして私は"宇原A"という名前を隠し"シーク"として大会に出場しはじめた。
そうだった。
隠れてダンスをやることが普通になってたから完全に忘れていた。
「今はAや拓人がダンスをやってる事をバカにする奴なんていないだろ?
それでも秘密にしたままなのか?」
"もういいんじゃないか?"
私の頭をポンポンと仙石さんは優しく撫でる。
そっか。
あの頃みたいに会話に入れない事もない。
バカにされることも無い。
自分の中で何かがストンと懐に落ちてくる。
拳をグッと握ると私は決意した。
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ベル - 公式、アニメも見ています。何度もやはり、私は釘宮組が好きです。アオさんは、誰が好きてすか。夢小説良いです。楽しみにしています (2018年11月17日 19時) (レス) id: 1190295a12 (このIDを非表示/違反報告)
藍緒(アオ)(プロフ) - ねこさん» コメントありがとうございます。更新を楽しみにしていただいて嬉しいです!ありがとうございます。! (2018年4月22日 13時) (レス) id: 7a8e9f5abe (このIDを非表示/違反報告)
藍緒(アオ)(プロフ) - 斗羽さん» コメントありがとうございます。!ご指摘ありがとうございます。修正しておきました( ;∀;)。話数を間違えていただけなので内容は問題ありません!清春、私もはやくだしたくてうずうずしてます。もう暫くお待ちください! (2018年4月22日 13時) (レス) id: 7a8e9f5abe (このIDを非表示/違反報告)
ねこ(プロフ) - はじめまして(^^♪更新いつも楽しみにしています(*゚▽゚)ノ (2018年4月20日 23時) (レス) id: 027db1ab40 (このIDを非表示/違反報告)
斗羽 - 天平杯編、お疲れ様でした。続きも楽しみにしています。とくに清春との絡みを是非とも、是非とも!お願い致します。それと、75話が飛んで74→76となっているようです。 (2018年4月20日 1時) (レス) id: ebe4ea9581 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍緒(アオ) | 作成日時:2018年2月19日 1時