第四百七十八話 ページ39
エルとの思い出が溢れてくる。
そうだね、そんな事があったね。
涙を流しながら、頷きながら、抱きしめながらじっと話を聞く。
こんなに短い間でこんなに充実して過ごせたのはエルのお陰でもあるんだよ。
頬に伝った涙を手で拭って転がっていた愛刀を手に取る。
エルは覚悟を決めた。
それなら私も覚悟を決めなければ、いけないものね。
上司として。裏切られた者として。
『ねぇ…最期に…
聞いていい？』
「ええ。なんなりと。」
『サルザールでは、私は体調を崩した。
その時に軍艦を呼べば私は今頃牢屋の中よ。
なんで、あの時に呼ばなかったの？』
私は風邪で何日も寝込んでいた。
近くにはエルしかいない。
エルが捕えようとすればいくらでも出来たはず。
私がそう問うとエルは自嘲気味に笑った。
まさかそんな反応が返ってくるとは思わなくて私は戸惑ってしまう。
「貴女に惹かれてしまったから…ですよ。
好きな人が風邪で弱っているのに心配しないわけ無いでしょ？
惚れた弱みってやつですよ。」
なんて言って寂しそうに笑う。
その笑顔があまりにも綺麗で切なくて。
また私の決心が揺らいだ。
けれど、この願いはエルの初めてのわがまま。
最初で最期の、エルから私への願い。
愛刀を構えて刃先をエルに向ける。
あとはこれを突き刺せば、いい。
『エルって本当にバカ…
ありがとう。
私を好きになってくれて。
ずっとついてきてくれて。
私の…大切な人。』
飛び散る鮮血。
それはすぐに私の真っ白な服を赤に染めていった。
止まることを知らないその血はエルの左胸からとめど無く溢れ出てくる。
力の抜けたエルは私の方へ倒れてきた。
地面に衝突しないように慌てて抱きかかえるとゆっくり地面におろす。
目の焦点はもう虚ろであっていない。
こんなに近くにいる私のことも、もうそろそろ見えなくなる。
私は血で濡れた手でエルの頬を優しく撫でた。
顔は青白い。
イケメンな顔が台無しだよ。なんて涙ながらに呟いた。
出血多量でエルの生命は終わりを告げるだろう。
『おやすみ。エル。』
そう言うと同時にエルはゆっくりと目を閉じた。
最期にエルから見えていた私の顔は、ちゃんと笑えていただろうか。
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となりの白雪 - エルはオリキャラの中でも特に好きなキャラなので涙が止まりません、、 (2018年10月2日 23時) (
レス) id: b33addfcfc (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く気に入った作品で面白かったですもし今後他の作品を作る予定があったらルフィ♀逆行かワンピースとコラボかトリップか転生したリボーンかヒロアカかフェアリーテイルの作品が読んで見たいです説明が下手ならすみませんこれからも更新頑張ってくださいね (2018年4月16日 20時) (レス) id: 673ec4ec31 (このIDを非表示/違反報告)
ピース(プロフ) - 面白いです (2018年4月5日 11時) (レス) id: fa425b4f2d (このIDを非表示/違反報告)
藍緒(アオ)(プロフ) - 漫画大好き少女さん» 更新停止する場合にはその都度記載しております。暫く停止する予定は無いのでご安心ください(*´∇｀)。注意書きの部分に付け足しておきます！ご指摘ありがとうございました！ (2018年4月3日 14時) (レス) id: 7a8e9f5abe (このIDを非表示/違反報告)
藍緒(アオ)(プロフ) - 漫画大好き少女さん» １からお読みいただきありがとうございます！多くのアドバイスもありがとうございます。とても嬉しいお言葉です。私は台本書きではなくその場で考えて書いているので時々変な文があるかもしれないです…読み難かったら申し訳ないです。 (2018年4月3日 14時) (レス) id: 7a8e9f5abe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍緒(アオ)
| 作成日時：2018年1月14日 14時
