110話 ページ31
まさか寺坂からそんな言葉が出てくるとは思わなくて私は目を見開く。
寺坂の目は真剣そのもの。
なんだ。
良い奴じゃん。
少しは見なおした。
『良いけど…実行できるの？
私とカルマの作戦。
死ぬかもよ？』
「やってやンよ。
こちとら実績持ってる実行犯だぜ。」
怪しい笑みを浮かべた寺坂は私とカルマに「頼むぞ。」と言うとズカズカと崖の下に降りていく。
そんな寺坂に私は後ろから大きな声で声をかけた。
『ねえ！まだ作戦考えてないけどもう行くの？』
「え、あ、うん。
まだなの!?」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
カルマと2人で作戦を考える。
被害を最小限に。
かつ1番効率の良い作戦を考えるのは大変。
枝にぶら下がっていている美鈴とイトナを交互に見ながら頭をふる回転させる。
ふと閃いた作戦をカルマに伝えるとカルマも似たような事を考えていたみたいでサクッと作戦が纏まった。
『はい、カルマにちゅうもーく。』
「原さんは助けずに放っておこう！」
『異議なーし！』
そう言うと案の定あたりは静まり返える。
そんな私達に寺坂は
「原が1番危ねーだろ！
ふとましいから身動きとれねーしヘヴィだから枝も折れそうだ！」
と女の子に対して散々なセリフをぶちまけた。
あとで寿美鈴に何言われても知らないよ？
私は寺坂に近づくと寺坂のシャツを引っ張って聞く。
『寺坂さぁ、昨日と同じシャツ着てない？
ここ、昨日もシミあったよね。』
掴んでいたシャツの裾を寺坂が見えるようにする。
少し黄ばんでいるそのシミは確かに昨日も寺坂にあったシミと同じだった。
特に否定もされなかったので私の質問に肯定をしたと見て話を進める。
『ズボラだよねー。
寺坂悪巧みとか向いてないよ。
すぐバレるもん。』
「あｧ!?」
『…でもね。
頭はバカでも体力と実行力を持ってるから寺坂を軸に作戦立てるの楽しいよ？』
「俺らを信じて動いてよ。
悪いようにはしないからさ。」
「…バカは余計だ。
いいから早く指示よこせ。」
『じゃ…遠慮無く。』
まだかまだかと指示を待つ寺坂。
私は寺坂のシャツを両手でぐっと握ると一気に両方向に引っ張った。
それによって弾け飛ぶボタン
ブチブチ、と千切れていく糸
怒鳴りかかってこようとした寺坂を落ち着かせる。
そして皆で集まると私とカルマの考えた作戦を提案した。
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迷い猫 - " 気の枝" じゃなくて" 木の枝"ですヨ (2021年8月26日 15時) (
レス) id: 0f483562a2 (このIDを非表示/違反報告)
怜 - 偽名さん» わかる (2021年8月16日 15時) (レス) id: 99ce1d82a1 (このIDを非表示/違反報告)
偽名 - 何度も見返してるけど、何度見ても『俺の女に手を出すな』好き。 (2020年5月6日 21時) (レス) id: 60ccd0f591 (このIDを非表示/違反報告)
ともか(プロフ) - 細かいのですが英語の瀬尾くんの順位は上に3人いるので4位ではないでしょうか…？細かくてすみません！！このお話はとても面白くて大好きです！！これからも続編楽しみにしています！！ (2019年2月6日 17時) (レス) id: 1b1bc6c95d (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - 祝100話ですね！これからも頑張ってください！たのしみにしているので、更新頑張ってください！ (2018年2月23日 1時) (レス) id: abbcc731c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍緒(アオ)
| 作成日時：2017年12月10日 10時
