第四百三十七話 ページ38
反射的に刀を自分の前にやる。
けれどそれが良くなかった。
『っ、しま！』
私の持っていた刀は赤犬に弾き飛ばされ遥か遠くに飛んでいく。
そして反対の手で赤犬はまた私を殴った。
しかもさっきと同じ脇腹に。
『ぐっ…っあ…』
今度は避ける手段が無く、もろに赤犬の攻撃を受けてしまった。
地面に叩きつけられた私はさっきより多くの血を吐く。
もう息をするだけで身体が痛い。
血を吐いてしまったのと痛みのせいで意識も朦朧としてきた。
「お前とあの2人がどういう関係なのかは知りやせんが…
歯向かった以上、それ相応の対応をせにゃあかん。」
悪く思うな。
と言いながら赤犬はゆっくり私の方に歩いて来る。
ドロドロと多くのマグマを煮えたぎらせて。
早くこの場から離れなきゃ行けないと分かっているのに痛みで動けない。
ちょっと調子乗りすぎた…な。
「最後に1つ。
お前は何故あの2人の味方をする？」
私と赤犬の距離はあと3メートル。
立ち止まってそう聞いた赤犬に私は目を見開いた。
赤犬といえば他の大将より冷酷で過激に正義を貫く硬骨漢だ。
"悪"を許さず、たとえ一般人でも海兵でも容赦なく始末するような男。
そんな赤犬がまさか私に質問してくるとは思いもしなかった。
どういう風の吹きまわしなのか。
まあ、どうでもいいけれど。
『味方をする理由…？
そんなの1つだろ。』
相変わらず冷たい目で見下してくる赤犬。
私はフッと笑うと赤犬の目を見ながら言った。
『そんなの、生きていてほしいからに決まってんだろ。』
「そうか…ならお前は生かすべき相手を間違えたな。」
そう言うと赤犬はマグマで纏った右腕を空高く上げた。
そしてそのままその手を私目掛けて振り下ろす。
あぁ、このまま死ぬのか。
今までの攻撃は素手だったから焼かれなかったけど今度はマグマだ。
マグマなら一瞬で焼きころされる。
私は迫ってくる拳を覚悟し目を閉じた。
その瞬間脳裏に駆け巡る色々な思い出。
サボと仲良くなった時のこと。
ルフィが来た時のこと。
ルフィが捕まった時のこと。
皆で狩りにでかけた時のこと。
数え切れないくらいの皆との思い出が溢れてる。
最後に一度だけ。
一度だけでいいから。
『皆で笑い合いたかったぁ。』
その呟きは誰にも届く事なく消えていった。
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玲 - 面白いです！更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2018年1月7日 22時) (
レス) id: 268c68b4a0 (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - テスト頑張ってください！ (2017年12月10日 20時) (レス) id: 51b7b5aab2 (このIDを非表示/違反報告)
りょう - 低浮上のあほです()テストお疲れ様です！！まだ残ってたらラスト頑張ってください！(;^ω^)気長に更新待ってます！！ (2017年12月9日 22時) (レス) id: 577a2fae95 (このIDを非表示/違反報告)
藍緒(アオ)(プロフ) - トロ丸くんさん» ご心配をお掛けして申し訳ありません。今回、テスト期間の報告無しに更新を停止してしまいました。申し訳ありません… (2017年11月30日 0時) (レス) id: dccc59a57c (このIDを非表示/違反報告)
藍緒(アオ)(プロフ) - りょうさん» 一気読みありがとうございます！少しずつ進んでいきますのでお楽しみにしていてください！ (2017年11月30日 0時) (レス) id: dccc59a57c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍緒(アオ)
| 作成日時：2017年10月10日 0時
