No road is long with good company 3 (ページ32)

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・美希Side ページ32

地獄のような時間だった。

あんな恥ずかしい姿で...。

ふっかさんはどう思っていたんだろうか...？

何度も視線を合わせようとしたけれど、ふっかさんはずっとうつむいていて、合わすことができなかった。

一次会がお開きになり急いで着替えをすまし、ふっかさんのもとへ行こうとした矢先、
先輩に捕まってしまい、海外事業部との二次会に連れて行かれそうになった。

タクシーに乗る瞬間、やっぱりどうしてもふっかさんに会いたくて、
横にいた神宮寺くんに「急用を思い出したので、帰ります！」と言い残し、引き返した。

とにかく走った。

ちょっと寂しそうな彼の横顔が目に焼き付いて離れなかった。

ドアを開けたとき、部屋は真っ暗だった。

ふっかさんはもういなかった。

間に合わなかった...。

会って話がしたかった。

いつものように笑いかけてほしかった。

いつものように「じゃあ、また明日」と柔らかい声で言ってほしかった。

一人で帰りながら思う。

いつも隣にはふっかさんがいて、会話があった。

いつもより何倍も風が冷たく感じた。涙が止まらない。