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パラリーガル...？
呆気にとられる長瀬くん、お母さん、それから俺の前でAちゃんは淡々と話す。
法律事務所で事務や弁護士のサポート業務をしていること、ただ資格はないので今まで長瀬くんにたいしたアドバイスが出来なかったことを詫びた。
でもAちゃんは事務所のリーダー(所長さん)に少し話をしていてくれていたらしい。
「リーダーも何か困ったことがあれば、と言っております。大丈夫です、早く安心した生活が送れるように一緒に頑張りましょう！」
その後事務所に相談する日程などを決め、俺たちは長瀬くんの家をあとにする。
「...康二さん、」
「...送ってくわ、乗って？」
助手席のAちゃんと、話すことも見ることもできないままハンドルを握る。
沈黙のまま、Aちゃんの家に着いた。
「...着いたで。」
「あの、康二さん！...話させて下さい。」
「何？」
エンジンを止め、Aちゃんを見る。
「康二さん、ごめんなさい...あの、私」
「びっくりやな、事務職やって聞いとったけどまさかパラリーガルって...」
「本当にごめんなさい！いつかちゃんと言わなきゃって、でもなかなか言い出せなくて、」
「そんなんいつでも言えることちゃう？なんなら見合いの日でもよかったやん、てかなんで隠さなアカン？別に悪いことちゃうやん、そんなん隠して付き合う方がよっぽど悪質や。」
「...悪質、」
黙って聞いていたAちゃんの目がいつの間にか潤んでいた。
「ゴメン、今のは言いすぎた。」
「...ううん、その通りだよ。」
目をゴシゴシと擦り、鼻を大きくすすると俺をしっかりと見据えた。
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作者名：Momanao | 作成日時：2021年2月8日 22時
