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紬さんが話し始めた。

「美史ちゃんね、1人でずっと悩んでたみたいなの...目黒くんのご両親のことで。」

「え、うちの親、美史ちゃんになにかやらかしたんですか?おいおい...俺の知らないところであのババア、」

「違うの!その逆!!目黒くんのご両親、とても優しくて美史ちゃんも希桜ちゃんも大事にしてくれてて...でもね、遠慮してるんじゃないかって。」

「遠慮?」

「うん、私も最初は理解できなかったんだけど萌ちゃんから聞いて...美史ちゃんのご実家って、名家なんでしょ?」

「はい...そこの一人娘なんで、正直結婚するときにもいろいろありました。」

「それなの。美史ちゃんは自分の意思で目黒家にお嫁に来たのに、目黒くんのご両親は申し訳ないって思ってるのか、自分の親に遠慮して言いたいことも言えてないみたいだって。」

「それは、うちの親にしてみればもったいないくらいの奥さんなんで...」

「美史ちゃんそのことがずっと気になってて、その上美史ちゃんのご両親が希桜ちゃんの育児に自分たちの価値観で口出されるのが嫌だったからって。」

「でもあんな立派なご両親だから、」

「美史ちゃん、希桜ちゃんにはのびのび育ってほしいって。目黒くんみたいに真っ直ぐで素直な子になってもらいたいから...だからね、本当はもっと目黒くんのご両親と仲良くなりたいんじゃないかな?」

「...そんなのすぐに俺が話つけますよ。てかそんな些細なことなんで話してくれなかったんだよ...。」

少しホッとしたように、目黒が言う。

「何言ってんの!」

紬さんが口調を荒らげた。

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作者名:Momanao | 作成日時:2021年2月8日 22時

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