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翔太さんとひと休みする。
「お見合いね...俺も1度くらい経験してみたかったなぁ。」
「そういえば翔太さんとまきさんは会社の同期でしたよね...でもいいですやん！あんないいオンナ、いやすみません！素敵な人をゲットしたんですから。」
「ありがとう(笑)。まきが聞いたら絶対天狗になるから黙っとくわ。」
「いやいや言ってあげて下さいよ！俺、まきさんのファンですからね！」
「何言ってんの？あんなキレイな人彼女にしてんじゃん。てか、婚約とかしたの？」
「いや具体的にはまだ...なかなか会う時間も取れなくて今日なんか初めての遠征ですよ。今は、お互いを理解し合う期間だと思ってます。」
「そっか。まぁ2人ともゴールは同じだからね...ゆっくり恋人時間を楽しんだらいいよ。」
「...翔太さんはどんな感じだったんですか？」
「え、俺？いやぁ...俺らの場合は特殊っていうかなんつーか、」
「特殊？」
「入社してからずっと一緒だったのよ。上司に怒られるのも、残業するのも打ち上げ行っても、ついでに電車すら一緒！もう一緒が当たり前で、でもお互い別に恋人もいたりしたんだけどやっぱりしっくりこないっていうか...いつの間にか俺の描く将来にはまきがいたって、うわ！俺なんかダサくない？」
「いやいや...素敵ですよ、俺たちも早くそうなりたいっす。」
「そうか？俺はときめきとか必要だと思うけど...それよりこの後どうすんの？近くに旅館取っちゃってるとか？」
「いや...明日仕事なんで。」
「ただいまー！楽しかった！！」
Aちゃんが俺たちのもとに。
「おかえり。あれ、まきさんと慧多くんは？」
「...おっも。」
まきさんに抱えられて、慧多くんが帰ってきた。
「Aさんにカッコつけたくて入ったくせにさ、叫ぶは泣くは挙げ句の果てに腰抜かしてんの。」
「そういやずっと子供の叫び声が聞こえてたな...あれ、慧多だったんだ。」
「慧多くん、大丈夫？」
「ほら、Aさんが心配してくれてるよ？」
慧多くんはまきさんにがっつり抱え付き、顔を上げようとしない。
「ごめんね、でも頑張って先頭歩いてくれようとしてありがとうね。」
Aちゃんに頭を撫でてもらうも、慧多くんの涙は止まらないようだ。
「可哀想に...好きな子に同情されるほど惨めなものはないからな。」
「え、もしかして？」
「そう。慧多の初恋、一瞬で散る。」
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作者名：Momanao | 作成日時：2021年2月8日 22時
