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「向井先生、そちらの方はもしかして...？」
「康二さん...？」
会釈をしたあと、不思議そうにAちゃんが俺を見た。
「あ、こちら照さんの妹さんでまきさん。で、ご主人の翔太さんに慧多くん。」
「え、照さんの...あの、初めまして！長尾Aといいます。」
「初めまして、渡辺です。実は写真見せてもらったことあるの...やっぱり実物も可愛い！」
「そうだな、向井先生よかったじゃん。」
「岩本家の皆様のおかげです(笑)。」
「ほら、慧多あいさつは？」
「...ういっす。」
慧多くんがポケットに手を突っ込み、ぶっきらぼうに頭を下げる。
「こら！ういっすじゃないでしょこんにちはでしょーが！急にキャラ変するな！Aさん、ごめんなさいね。」
「いえいえ(笑)。初めまして、慧多くん...あのね、早速お願いがあるんだけどいいかな？」
Aちゃんが慧多くんに近づき、顔を覗き込む。
「お化け屋敷、私も連れて行ってくれませんか？」
「へ？」
「あのね、あのお兄ちゃん、大丈夫って言ってくれてるんだけど多分お化け屋敷怖いみたい。でも私は行きたくて...慧多くんが一緒に行ってくれたら嬉しいんだけど、どうかな？」
「オレと？Aさんが？」
「あ、もちろんお母さんも一緒に。」
「いや...まきは置いて行きましょう。じゃ、オレについてきて下さい。」
「じゃあ、よろしくお願いします(笑)。」
慧多くんは手を差し出し、Aちゃんをエスコートして入場口へ。
「...おい、慧多足と手が一緒に出てるぞ。」
「あの子完全に舞い上がってるね...待って、私も行くわよ！」
まきさんが2人のあとを追いかけ、残ったのは荷物を任された翔太さんと俺。
「やれやれ...じゃあ向井先生、ちょっと休憩するか。」
「そうですね、じゃあ俺なにか飲み物買ってきます！」
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作者名：Momanao | 作成日時：2021年2月8日 22時
