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娘をあやしながら2人で寄り添って座っている目黒と美史ちゃんを、微笑ましく見る。
「しっかし若いパパとママだよね...2人とも何歳だっけ?」
「あ、24歳です。」
「ひょえー...この若さで結婚して、子供産んで、偉いよアンタたち。」
「美史ちゃんが大学卒業したら結婚するって、ずっと前から決めてたんで。」
「周りの人たちに助けてもらってなんとか頑張ってます...でも、蓮くんとこうやって一緒にいられて幸せです。」
高校時代はイキっていた目黒が、美史ちゃんというパートナーとめぐり逢いこんなに穏やかな顔で笑う父親になっている。
いやー...人ってこんなに変われるものなんだ。
愛の力って、偉大やな。
「...向井先生、生徒に先越されちゃったねぇ。」
「今度は目黒くんに、いろいろ教えてもらわないと。」
岩本夫妻の話題は、俺に移っていく。
「ええやないですか!俺の話はやめませんか?」
「なんで?向井先生も適齢期じゃん!あ、結婚願望ない人?」
「いやフツーに、いやそれ以上にありますけど?」
「え、じゃあご予定とか?決まった人とか?」
「...松村先生知ってるでしょそんな話が全くないことぐらい。」
「だからさ、私前々から言ってると思うんだけどさ...ね、龍斗?」
「え、あれ本気?」
「当たり前っしょ!ねぇ、典子!森口典子はどうよ!!よく飲みに行ってるじゃん!典子は満更でもないみたいよ?コージって呼ばれてるじゃない。」
「あ、いいですね!森口さんカッコよくて素敵な人ですよね。向井先生どうですか?」
「やめてや美史ちゃんまで...森口さんは何もかも強烈すぎなんです!酒癖も悪いし...この間なんか飲みながらずっとおたまで俺のデコしばいてるんすよ?普通気になるオトコのデコおたまでしばきます?とにかく俺は可愛らしい、お酒もほどほどにほんのり酔っ払うくらいの、清楚な愛らしい人がいいんです!そしてそんな女性はきっと松村先生の知り合いにはいませんから!」
「はぁ、じーこケンカ売ってんの?おい、デコ出せ!!あ、美史ちゃんおたま貸してくれる??」
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作者名:Momanao | 作成日時:2021年2月8日 22時